最終更新: 2026年9月19日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ
「粉のままではうまく打てない」「混ぜても分離してしまう」──こうした問題の多くは、造粒という一工程で解決します。造粒は顆粒製品を作るためだけの技術ではなく、錠剤や粉末製品の品質を支える基盤工程です。本記事では製造技術の現場視点で、造粒の目的と乾式・湿式の使い分けを解説します。
💡 造粒(顆粒化)とは、粉体を集めて一定の大きさの粒にする工程です。流動性の改善、含量均一性の確保、飛散防止、溶解性の調整、打錠性の改善を目的とします。水や結合液を用いない乾式造粒と、結合液を用いる湿式造粒に大別され、原料の熱・水分への耐性によって使い分けます。
⚡ この記事のポイント
- 造粒は顆粒製品だけでなく錠剤・粉末の品質も支える基盤工程
- 目的は流動性・含量均一性・飛散防止・溶解性・打錠性の改善
- 乾式は熱と水分を使わないため熱に弱い成分に向く
- 湿式は粒の形状を整えやすく溶解性の設計自由度が高い
- 造粒工程は協力工場で対応し、方式の選定と表示設計は天丸製薬が担当します
造粒が解決する5つの問題
造粒は、細かい粉体を集めて一定の大きさの粒にする工程です。顆粒製品を作るための工程と思われがちですが、実際には錠剤やカプセル、粉末製品の品質を支える基盤技術です。
解決する問題は主に5つあります。粉が流れずに充填が安定しない流動性の問題、成分が偏る含量均一性の問題、粉が舞う飛散の問題、水に溶けにくい溶解性の問題、そして打錠時に固まらない打錠性の問題です。
乾式造粒と湿式造粒
造粒方式は、結合液を使うかどうかで大きく2つに分かれます。選択の基準は、原料が熱と水分にどれだけ耐えられるかです。
熱に弱い成分や、水分で品質が変わる菌体素材などでは乾式が選ばれます。一方、粒の形を整えたい場合や溶解性を細かく設計したい場合は湿式が有利です。
| 方式 | 特徴 | 向く原料・用途 |
|---|---|---|
| 乾式造粒 | 水・熱を使わず圧縮で造粒 | 熱・水分に弱い成分、菌体素材 |
| 湿式(流動層造粒) | 結合液を噴霧しながら乾燥 | 溶解性のよい多孔質な顆粒 |
| 湿式(撹拌造粒) | 混合しながら結合液を添加 | 密度の高い顆粒、打錠用 |
| 押出造粒 | スクリーンを通して押し出す | 粒径を揃えたい用途 |
目的別の選び方
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打錠性を改善したい:粉のままでは流動性が悪く、含量のばらつきや硬度不足が起きます。造粒により流動性と圧縮性が改善され、打錠が安定します。錠剤製品でも造粒工程が入るのはこのためです。
含量均一性を確保したい:微量成分を含む処方では、粉体のまま混合すると偏析が起こります。造粒により成分を粒の中に固定することで、以降の工程での分離を防げます。
溶解性を上げたい:流動層造粒による多孔質な顆粒は、水に触れたときの崩壊が速くなります。ドリンクに溶かす粉末製品では、この設計が飲用感を左右します。
飲みやすくしたい:粉のままでは口内に付着してむせる原因になります。顆粒化することで口当たりが改善されます。
設計上の注意点
1. 粒度分布:粒が大きすぎると溶けにくく、小さすぎると流動性が改善しません。目的に応じた粒度を設定し、スクリーンで管理します。
2. 結合剤の選定:湿式では結合剤の種類と量が顆粒の硬さを決めます。硬すぎると崩壊が遅れ、柔らかすぎると輸送中に崩れます。
3. 熱履歴:湿式では乾燥工程で熱がかかります。熱に弱い成分では、乾燥温度と時間の条件設定が品質を左右します。天丸製薬ではGMP準拠設備で造粒条件と品質の関係を確認しながら条件を設定しています。
4. スケールアップ:試作機と量産機で造粒条件は変わります。試作の条件をそのまま量産に持ち込めない点は、事前に織り込んでおく必要があります。
表示との関係
造粒に用いる結合剤や賦形剤は、添加物として原材料表示に記載されます。「添加物不使用」といった訴求を行う場合、造粒工程の設計自体を見直す必要が生じることがあります。
また、造粒により製品の形状が顆粒となる場合、食品表示上の形状の記載や、剤形に応じた摂取方法の案内が変わります。天丸製薬では造粒方式の選定と同時に表示案を確認しています。造粒工程そのものは協力工場で行います。
天丸製薬での造粒対応
造粒工程は、GMP準拠設備をもつ協力工場で行います。当社は処方設計・方式の選定・試作確認・表示設計を担当し、原料特性に合わせて対応できる工場をご案内します。
| 項目 | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
| 造粒方式の選定 | 天丸製薬 | 原料特性・目標粒度から方式を提案 |
| 造粒工程 | 協力工場 | 方式に対応できる工場を案件ごとに選定 |
| 熱に弱い成分 | 天丸製薬 | 乾式造粒など、熱を使わない方式を検討 |
| 表示設計 | 天丸製薬 | 結合剤・賦形剤の原材料表示を同時に確認 |
| 錠剤の打錠 | 天丸製薬(自社工場) | 造粒後の打錠は大阪の自社工場で対応 |
造粒方式と対応工場は、原料と目標品質によって変わります。具体的な条件はご相談の段階で直接ご説明しています。
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. 造粒は顆粒製品を作るときだけ必要ですか?
A. いいえ。造粒は錠剤・カプセル・粉末製品の品質も支える基盤工程です。流動性が悪く充填が安定しない、成分が偏る、粉が舞う、水に溶けにくい、打錠時に固まらないという5つの問題を解決します。錠剤製品でも造粒工程が入るのはこのためです。
Q. 乾式と湿式はどう使い分けますか?
A. 原料が熱と水分にどれだけ耐えられるかで決まります。熱に弱い成分や菌体素材のように水分で品質が変わるものは乾式、粒の形を整えたい場合や溶解性を細かく設計したい場合は湿式が有利です。湿式では乾燥工程で熱がかかるため、温度と時間の条件設定が品質を左右します。
Q. 試作の造粒条件はそのまま量産に使えますか?
A. 使えません。試作機と量産機で造粒条件は変わるため、スケールアップ時の条件差を事前に織り込んでおく必要があります。天丸製薬では試作から量産までの条件差を検証しながら移行を設計します。造粒工程は同じ協力工場で継続することで、条件のばらつきを抑えます。
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原料の熱・水分への耐性から造粒方式を選定し、打錠性・含量均一性・溶解性の課題を解決します。試作から量産までのスケールアップ設計もあわせてご相談いただけます。
- ✅ 原料特性に応じた造粒方式の選定
- ✅ 乾式・湿式の使い分けによる原料保護
- ✅ 試作〜量産のスケールアップ条件を検証
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