最終更新: 2026年10月23日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ
カプセルと錠剤、どちらにするか。見た目や好みで決めることもできますが、成分の性質によっては選択肢が片方しかないことがあります。本記事では、成分特性から剤形を決める考え方を整理します。
💡 錠剤は圧縮して固める剤形、カプセルは詰める剤形です。この構造の違いから、錠剤は圧縮に耐える成分でないと作れず、賦形剤が多く必要になります。カプセルは圧力をかけないため熱や圧に弱い成分を扱え、液状・油性の成分も封入できます。一方で錠剤は1粒あたりの重量を大きくでき、コスト面で有利な場面があります。
⚡ この記事のポイント
- 錠剤は圧縮、カプセルは充填。構造が違う
- 圧に弱い成分・吸湿性の高い成分はカプセル向き
- 油性・液状成分はソフトカプセルでしか扱えない
- 錠剤は賦形剤が必要なため、同じ成分量でも粒が大きくなりがち
- 当社の自社工場は錠剤。カプセルは協力工場で製造
構造の違い
| 錠剤 | ハードカプセル | ソフトカプセル | |
|---|---|---|---|
| 作り方 | 粉を圧縮して成形 | 皮膜に粉・顆粒を充填 | 皮膜と内容液を同時成形 |
| 圧力 | 🔴 かかる | 🟢 ほぼかからない | 🟢 かからない |
| 中身 | 粉体のみ | 粉体・顆粒 | 液状・ペースト・油性 |
| 賦形剤 | 多く必要 | 比較的少ない | 内容液の設計による |
| 味 | コーティングで対応 | 🟢 中身の味が出ない | 🟢 出ない |
最大の違いは圧力がかかるかどうかです。錠剤は粉を強く押し固めるため、圧力で変質する成分には向きません。
成分から決まる場合
選択の余地がないケースがあります。
| 成分の性質 | 適する剤形 | 理由 |
|---|---|---|
| 油性・液状(魚油、MCT) | 🔴 ソフトカプセル | 錠剤・ハードカプセルでは扱えない |
| 熱・圧に弱い(一部の菌体、酵素) | カプセル | 打錠の圧力と摩擦熱で失活する |
| 吸湿性が非常に高い | カプセル+防湿包装 | 打錠機で固まらない/固着する |
| 苦味が強く量も多い | カプセル | マスキングの限界を超える |
| 配合量が多い(1日1,000mg超) | 錠剤 | 1粒を大きくできる |
| コスト優先・大量生産 | 錠剤 | 工程がシンプル |
「カプセルのほうが高級感がある」といった理由で選ぶこともありますが、成分側の制約があれば、それが先に効きます。
📋 成分が決まっていれば、適した剤形をご提案できます。無料相談はこちら
同じ成分量でサイズが変わる
錠剤は圧縮して固めるために賦形剤が必要です。結合剤・滑沢剤も入ります。このため、有効成分100mgを入れるのに1粒300mgになるといったことが起きます。
ハードカプセルは粉や顆粒を詰めるだけなので、処方によっては賦形剤が少なくて済みます。結果として、同じ成分量をより小さく収められる場合があります。
「粒を小さくしたいが配合量は下げたくない」という要望には、剤形の変更が有効な手段になることがあります。
カプセルの種類
ハードカプセルの皮膜には、主に2種類があります。
- ゼラチン──動物由来。一般的で扱いやすい。ヴィーガン・ハラール対応が必要な場合は使えない
- HPMC(植物性)──植物由来。ヴィーガン対応可。ゼラチンより水分が少なく、吸湿性の成分に向く場合がある
サイズは号数で表され、数字が小さいほど大きくなります。充填量と飲みやすさのバランスで選びます。
どこで作るか
当社は、錠剤を大阪の自社工場で製造しています。混合(LDTH-200)、打錠(ZP-265)、研磨・除塵(SZS-230)、金属検出(IMD-IIS-M)、外観検査(YJX-220B)、包装までの一貫ラインです。
ハードカプセル・ソフトカプセルは、GMP準拠設備をもつ協力工場で製造します。処方設計・試作・品質確認は当社が担当します。
この違いは納期と最小ロットに出ます。自社製造の錠剤は生産枠を自社で調整できますが、カプセルは委託先の枠に依存します。見積りの段階で、どちらで作るかを明示しています。
よくある質問
Q. 途中で錠剤からカプセルに変えられますか?
A. 処方設計からやり直しになります。賦形剤の構成が変わり、崩壊性も変わります。製造場所も変わるため、納期と最小ロットの前提も変わります。試作前の段階で決めてください。
Q. カプセルのほうが吸収がよいですか?
A. 一概には言えません。崩壊・溶出の設計によります。「カプセルだから吸収がよい」という表現は、根拠がなければ使えません。
Q. ヴィーガン対応にできますか?
A. HPMCカプセルを使えば皮膜は植物性になります。ただし内容物の賦形剤や原料にも動物由来が含まれないか確認が必要です。訴求する場合は原料レベルでの確認が要ります。
Q. 両方を同時に展開できますか?
A. 可能ですが、別製品として扱われます。それぞれに処方設計・試作・最小ロットが発生します。初期は一方に絞るほうが現実的です。
成分から剤形を提案します
配合したい成分が決まっていれば、どの剤形が適しているかをお伝えします。制約がある場合も率直にご説明します。
- ✅ 錠剤は自社工場で製造(設備は型式まで公開)
- ✅ カプセルはGMP準拠設備の協力工場で製造
- ✅ どちらで作るかは見積り段階で明示
- ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし
関連ページ:カプセルのOEM製造 / 錠剤のOEM製造 / 自社工場・製造設備
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