📅 最終更新日: 2026年2月6日 | ✍️ 著者: 法規制コンプライアンス室
健康食品・サプリメントの製造・販売には、食品衛生法・景表法・薬機法・機能性表示食品制度など複数の法規制が関わります。この記事では、天丸製薬の法規制コンプライアンス室が最新情報をもとに解説します。
💡 健康食品の法規制とは、食品衛生法・薬機法・景品表示法・健康増進法・機能性表示食品制度など、健康食品の製造・販売・広告に関わる法律・制度の総称です。違反すると行政処分や刑事罰の対象となります。
この記事の関連法規制:薬機法(医薬品医療機器等法)、景品表示法、食品衛生法、健康増進法に基づく機能性表示食品制度の実務解説。消費者庁への届出手続きと表示基準の遵守ポイントを網羅します。
健康食品の広告は法律で厳しく規制されている
⚡ この記事の要点(法規制の核心)
- 健康食品に関わる主な法規制(食品衛生法・薬機法・景表法)を整理
- 機能性表示食品の届出には科学的根拠が必須
- 天丸製薬の法規制コンプライアンス室が届出手続きをサポート
- 違反リスクを避けるための実務チェックポイントを解説
健康食品・サプリメントのビジネスで最も注意が必要なのが広告表現です。薬機法(医薬品医療機器等法)と景品表示法(景表法)により、健康食品の広告で使える表現は厳しく制限されています。違反した場合、行政指導・措置命令・刑事罰のリスクがあります。
OEMメーカーから製品を受け取った後の広告・販売活動は、すべてクライアント(販売事業者)の責任となります。自社で法規制を理解した上で、適切な広告を行うことが不可欠です。
薬機法(医薬品医療機器等法)による規制
禁止されている表現(医薬品的効能・効果の標ぼう)
医薬品でない食品が「病気の治療・予防・症状改善」を表示することは薬機法66条・68条に抵触します。
- 「糖尿病が改善した」「血圧が下がる」「癌に効く」→ 治療・予防の効能表現
- 「膝の痛みが消えた」「腰痛に効果的」→ 症状改善の表現
- 「免疫力を高めて感染症を防ぐ」→ 医薬品的効能の標ぼう
グレーゾーンの表現
「免疫サポート」「腸活をサポート」「健康的な生活をサポート」など、直接的な効能表現でなくても、全体の文脈で医薬品的効能を暗示する表現は問題になる場合があります。
景品表示法(景表法)による規制
優良誤認表示の禁止
実際よりも著しく優れていると消費者に誤認させる表示は禁止です。
- 「1ヶ月で必ず〇kg痩せる」(個人差を無視した断定的表現)
- 「世界No.1成分配合」(根拠のない最上級表現)
- 「医師が推奨する」(根拠のない権威表現)
有利誤認表示の禁止
実際よりも取引条件が有利であるかのように見せる表現も禁止です。価格表示・キャンペーン内容で注意が必要です。
機能性表示食品・トクホの場合
届出・認定を受けた機能性表示食品やトクホでは、届出・認定された範囲内の機能性表示のみが許可されます。届出内容を超えた効能表現は違法となります。
許可される表現・許可されない表現の具体例
| 許可される表現例 | 許可されない表現例 |
|---|---|
| 「栄養バランスの維持をサポート」 | 「栄養不足による疾患を防ぐ」 |
| 「腸内環境を整えるのに役立つ」(機能性表示食品として届出済みの場合) | 「便秘が治る」「下痢が改善する」 |
| 「日常的な運動との組み合わせで理想の体型をサポート」 | 「飲むだけで痩せる」「脂肪を燃やす」 |
| 「〇〇成分を〇mg配合」(事実の表示) | 「〇〇成分が糖尿病に効く」 |
| 「睡眠の質の維持に役立つ成分配合」 | 「不眠症が治る」 |
SNS・インフルエンサーマーケティングの注意点
2023年のステルスマーケティング規制(景表法改正)により、インフルエンサーへの対価提供がある場合は「広告」「PR」の明示が義務付けられました。また、インフルエンサーが製品に対して虚偽・誇大な効能を発言した場合、事業者も景表法違反に問われる可能性があります。
- インフルエンサーへの事前ガイドライン提供が重要
- 「体験談」の形でも薬機法的な効能表現は不可
- 「#PR」「#広告」の表示を必須とする
体験談・口コミの扱い
実際のユーザーの体験談でも、「〇kg痩せた」「血圧が正常になった」などの医薬品的効能を示す内容を広告として使用することは違法です。また「個人の感想です」と注記しても、景表法違反の免責にはなりません。
まとめ
健康食品の広告規制は複雑ですが、基本的な原則は「医薬品的な効能・効果を表示しない」「事実に基づいた表示のみ行う」です。不明な場合は、薬機法・景表法の専門家(薬事コンサルタント・弁護士)に事前確認することを強くお勧めします。
天丸製薬では、製品お届け時に広告表現に関する注意事項をご案内しており、薬事コンサルタントのご紹介も行っています。
「免疫力アップ」「腸活サポート」という表現は広告で使えますか?
「免疫力アップ」は薬機法に抵触する可能性が高い表現です。「免疫機能の維持に役立つ」などに変更が必要です。「腸活サポート」はそれ自体は問題になりにくいですが、続けて「便秘が改善する」など具体的な症状改善を示す表現が入ると違反になります。いずれも文脈全体で判断されます。
インフルエンサーのPR投稿はどのように管理すればよいですか?
2023年10月施行のステルスマーケティング規制(景表法改正)により、事業者が対価を提供した場合は「広告」「PR」等の表示が義務付けられました。事業者には①投稿前に広告表示ルールを書面でガイドライン提示②薬機法・景表法に反する表現のチェックと修正依頼③投稿後の内容確認の3つの責任があります。インフルエンサーが違反表現をした場合でも事業者が景表法違反に問われるリスクがあります。
ビフォーアフター写真や「〇kg痩せた」体験談は使えますか?
「○kg痩せた」など特定の数値を伴う効果表現は、景品表示法上の「優良誤認」に該当するリスクが高いです。たとえ実際の体験であっても「個人差があります」の注記だけでは免責になりません。ビフォーアフター写真も身体的変化を強調するものは禁止される場合があります。使用する場合は薬事コンサルタントへの事前確認を強く推奨します。
「医師監修」「専門家推奨」という表現は使えますか?
実際に医師・専門家が内容を確認・監修している場合は使用可能です。ただし「医師が推奨する」といった断定的な表現や、根拠なく権威性を装う表現は景品表示法の「優良誤認」に該当します。監修内容・範囲を明確にし、実態と一致する範囲で使用することが必要です。
景品表示法違反になった場合のペナルティは何ですか?
消費者庁から「措置命令」(違反行為の差し止めと再発防止)が出されます。2023年の景表法改正により「課徴金制度」も強化され、売上高の3%(最大)の課徴金が課される場合があります。刑事罰(2年以下の懲役または300万円以下の罰金)が適用されるケースもあります。また、措置命令は公表されるため、ブランドへのレピュテーションリスクも甚大です。
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📋 参考・根拠法令・公式情報
関連ページ:機能性表示食品の届出データベース
よくある質問
Q. 健康食品で使ってはいけない表現の具体例は?
A. 疾病の治療・予防を示す表現が典型です。たとえば「便秘が治る」「下痢が改善する」「〇〇成分が糖尿病に効く」「不眠症が治る」「飲むだけで痩せる」「脂肪を燃やす」はいずれも認められません。一方「栄養バランスの維持をサポート」「〇〇成分を〇mg配合」といった事実の表示や、届出済みの機能性表示食品としての範囲内の表現は可能です。
Q. 体験談や口コミは広告に使えますか?
A. 扱いに注意が必要です。個人の感想であっても、それが効果の証明として提示されれば優良誤認や医薬品的効能効果の標榜と判断され得ます。「個人の感想です」といった打消し表示があれば許容されるわけではなく、位置や大きさによっては効果がないものとして扱われます。
Q. SNSやインフルエンサー施策の注意点は?
A. 広告であることを明示する必要があります。2023年10月に施行されたステルスマーケティング規制により、事業者の表示であることを一般消費者が判別できない表示は景品表示法違反となります。またアフィリエイトを含め、表示内容の責任は原則として広告主に帰属します。
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