アレルゲン管理と単一ライン|専用ラインがない前提で何ができるか

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最終更新: 2026年10月18日 | 監修: 天丸製薬 法規制コンプライアンス室

「アレルゲンの混入が心配なので、専用ラインでお願いします」という要望をいただくことがあります。しかし多くの中小規模の製造所は単一ラインです。本記事では、専用ラインがない前提で何ができるのか、表示でどう対応するのかを整理します。

💡 アレルゲン対策は、分離・洗浄・表示の3層で考えます。最も確実なのは専用ラインによる物理的分離ですが、設備投資が必要で、単一ラインの製造所では選べません。その場合は製造順序の管理と切替時の洗浄で混入量を下げ、残るリスクは表示で伝えます。重要なのは、どの層でどこまで対応しているかを発注側が把握していることです。

⚡ この記事のポイント

  • 対策は分離・洗浄・表示の3層。どこまで対応するかを決める
  • 専用ラインは最も確実だが、単一ラインの製造所では選べない
  • 製造順序(アレルゲンを含まない品目を先に)が有効
  • 原料側のアレルゲンは受入時に記録する。後追いでは追えない
  • 「製造ラインで〇〇を使用しています」の注意喚起表示は任意表示

3層で考える

層内容必要なもの
① 分離アレルゲンを扱うラインを分ける専用ライン・専用設備・区画
② 洗浄切替時に設備を洗い、残留を落とす洗浄手順・確認方法・記録
③ 表示使用・混入の可能性を伝える原料情報の把握・表示設計

①が最も強い対策ですが、設備を増やす必要があります。②③は設備を増やさずにできる対策です。①がないから対策がない、ではありません。

製造順序が効く

単一ラインで取りうる最も効果的な手段が、製造する順序の管理です。

アレルゲンを含まない品目を先に製造し、含む品目を後に回します。こうすると、万一の持ち越しが起きてもアレルゲンを含む製品の側へ流れるため、含まない製品への混入が避けられます。

  • アレルゲンを含まない品目 → 先
  • アレルゲンを含む品目 → 後
  • 同じアレルゲンを含む品目同士 → 連続して製造
  • 1日の最後に全体清掃

当社の錠剤ラインも単一ラインのため、この順序管理と切替時の洗浄で対応しています。専用ラインによる分離はできません。

📋 製造体制は自社工場ページで公開しています。

洗浄は「やった」ではなく「落ちた」

切替時の洗浄で重要なのは、手順を実施したことではなく、残留が落ちていることです。

確認の方法はいくつかあります。

  • 目視確認──分解できる部分を目で見る。基本だが見えない部分は確認できない
  • 拭き取り検査──接粉部を拭き取って残留を確認
  • 初流排除──切替後の最初の製品を一定量廃棄する

どこまでやるかは、扱うアレルゲンの性質と製品の対象者で決めます。乳幼児向け製品では、より厳しい運用が求められます。

原料側のアレルゲンを追う

見落としが起きやすいのは、原料そのものではなく原料に含まれる成分です。

原料含まれうるアレルゲン
ゼラチン牛・豚・魚(由来による)
乳糖・ホエイ乳
乳化剤の一部大豆
でんぷん・デキストリン小麦・とうもろこし(由来による)
キチン・キトサンえび・かに
一部のエキス末担体・賦形剤の由来

これらは原料メーカーの規格書やCOAに記載があります。受入時に確認して記録する運用にしないと、後から追うことができません。原料を10種類使う処方であれば、確認すべき項目は10件です。

表示でどう伝えるか

特定原材料等の表示は、食品表示基準で定められた義務表示です。これに加えて、注意喚起表示という任意の表示があります。

「本製品の製造ラインでは、〇〇を含む製品を生産しています」といった文言がこれにあたります。義務ではありませんが、単一ラインの製造所では実態に即した情報として入れることが一般的です。

注意点として、この表示は混入の可能性がある場合に使うものであり、「念のため」で付けるものではないとされています。実際の製造状況と対応している必要があります。

よくある質問

Q. アレルゲンフリーの製品は作れませんか?

A. 処方にアレルゲンを含まない設計は可能です。ただし単一ラインの場合、他品目との共用による混入可能性はゼロにできません。完全な分離が条件であれば、専用ラインを持つ工場での製造をご案内します。

Q. 拭き取り検査はしてもらえますか?

A. 外部試験機関に委託して実施できます。どの程度の頻度で、どの部位を検査するかは、製品の対象者とアレルゲンの性質に応じて設計します。

Q. 原料を変更したらどうなりますか?

A. アレルゲン情報が変わる可能性があるため、必ず再確認します。同じ名称の原料でも、メーカーが変われば由来や製造環境が変わります。表示の見直しが必要になることがあります。

Q. 輸出する場合はどうなりますか?

A. 表示義務のある品目が国によって異なります。日本の特定原材料と、輸出先の制度を照合する必要があります。

アレルゲン対応の範囲を先にお伝えします

当社の錠剤ラインは単一ラインです。できることとできないことを、受注前に明示します。

  • ✅ 製造順序の管理と切替時の洗浄で対応
  • ✅ 原料のアレルゲン情報は受入時に記録
  • ✅ 🔴 専用ラインによる完全分離はできません(設備を公開)
  • ✅ 分離が必須の案件は事前にご相談ください

今すぐ無料相談(24時間受付)

関連ページ:自社工場・製造設備 / 品質管理体制 / コンプライアンス方針

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