錠剤が割れる・欠ける|症状ごとに原因の場所が違う

商品開発

最終更新: 2026年10月26日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ

錠剤が割れる、角が欠ける、表面が剥がれる。こうした不具合は、打錠の条件だけでなく処方・原料・包装のどこからでも起きます。本記事では、症状ごとに原因と対処を整理します。

💡 錠剤の物理的な不具合は、症状によって原因の場所が違います。層状に剥がれるキャッピングは打錠時の空気の抜けと処方の弾性に関わり、角の欠けは硬度不足と搬送の衝撃に関わります。表面の傷は打錠機の金型や後工程の摩擦から生じ、割れは輸送中の振動で起きることもあります。「硬度を上げる」が万能ではなく、硬すぎれば崩壊が遅れ、飲んでも溶けない錠剤になります。

⚡ この記事のポイント

  • 症状ごとに原因の場所が違う。見た目から切り分ける
  • 硬度を上げれば解決、ではない。崩壊性とのトレードオフ
  • キャッピングは空気の抜けと処方の弾性
  • 欠けは硬度と搬送の両方を見る
  • 輸送中の割れは包装の充填率で変わる

症状から切り分ける

症状主な原因対処の方向
キャッピング
上部が帽子状に剥がれる
空気の抜け不良、処方の弾性回復予圧の追加、打錠速度を下げる、結合剤の見直し
ラミネーション
層状に割れる
同上。より深い層で分離同上。造粒の検討
欠け(チッピング)
角が欠ける
硬度不足、搬送時の衝撃硬度の調整、搬送経路の見直し
摩損
表面が削れて粉が出る
硬度不足、過度な研磨硬度の調整、研磨条件の見直し
スティッキング
杵に付着して表面が荒れる
吸湿、滑沢剤不足滑沢剤の調整、環境湿度の管理
輸送中の割れ容器内の空隙、振動充填率の調整、緩衝材

見た目が似ていても原因が違うため、どの症状かを特定してから手を打ちます。欠けと摩損を混同すると、対処の方向を間違えます。

硬度は上げれば良いわけではない

「割れるなら硬くすればよい」と考えがちですが、硬度には上限があります。

  • 硬すぎると崩壊が遅れる──体内で溶けにくくなる
  • 打錠圧を上げすぎるとかえってキャッピングが増える──弾性回復が大きくなる
  • 杵・臼の摩耗が早まる
  • 熱に弱い成分では、摩擦熱の影響が増える

とくに2番目は直感に反します。圧を上げるほど丈夫になる、ではありません。適正な圧の範囲があり、そこを超えると別の不具合が出ます。

実務では、硬度と崩壊時間を両方測って許容範囲を決めます。硬度だけを指標にすると、崩壊しない錠剤ができます。

📋 打錠は自社工場で行っています。試作で条件を詰めます。

処方側の要因

打錠条件を調整しても改善しない場合、処方に原因があります。

  • 結合剤が不足──粒子同士が結びつかない
  • 滑沢剤が過剰──結合を妨げる。少なすぎれば付着する
  • 原料の弾性が高い──圧を解除すると戻ろうとして剥がれる
  • 粒度のばらつき──充填が不均一になり、重量と硬度が揺れる
  • 吸湿──湿気を吸うと流動性と打錠性が変わる

有効成分の配合量が多い処方では、賦形剤で調整できる余地が小さくなります。「有効成分をできるだけ多く」と「打錠できる」は、どこかで衝突します。

当社にはローラーコンパクターがないため、乾式造粒による解決はできません。打錠性が確保できない処方では、剤形の変更(カプセル化)をご提案することがあります。

包装でも変わる

製造時に問題がなくても、輸送中に割れることがあります。

  • 容器内の空隙──動く余地があると、振動でぶつかり合う
  • 充填率──少なすぎると動く。多すぎると取り出しにくい
  • 緩衝材──綿やシートで動きを抑える
  • 配送経路──輸出では振動の累積が大きくなる

ボトルに余裕がありすぎる設計では、摩損で粉が出て容器の底に溜まります。これも苦情の原因になります。入数と容器サイズは、見た目の容量感だけでなく充填率で判断します。

よくある質問

Q. 試作では問題なかったのに量産で割れました。なぜですか?

A. 打錠速度が上がることで、圧をかける時間が短くなります。空気の抜けも変わります。量産移行時には条件を再設定し、硬度・崩壊性・摩損度を確認します。

Q. 刻印を入れると割れやすくなりますか?

A. 刻印部分は厚みが薄くなるため、深い刻印では欠けやすくなることがあります。文字の大きさと深さで調整します。

Q. コーティングすれば割れませんか?

A. 表面の摩損は減りますが、内部の構造的な問題(キャッピング・ラミネーション)は解決しません。素錠の段階で条件を詰める必要があります。

Q. 割れた錠剤は出荷されますか?

A. 外観検査で全数を目視確認し、割れ・欠けのあるものは除外します。製造ロットで一定の割合を超えた場合は、原因を究明してから判断します。

打錠性は試作で見極めます

配合量と打錠性が衝突する場合、無理に進めず剤形の変更もご提案します。

  • ✅ 打錠(ZP-265)・研磨(SZS-230)は自社工場
  • ✅ 外観検査は全数目視、割れ・欠けを除外
  • ✅ 🔴 乾式造粒の設備はありません。成立しない処方はお伝えします
  • ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし

今すぐ無料相談(24時間受付)

関連ページ:錠剤のOEM製造 / 自社工場・製造設備 / 品質管理体制

同じカテゴリの記事

製品化のご相談を承ります

剤形の選び方、ロット、原価の考え方など、まだ形になっていない段階でも構いません。
初回のご相談・お見積りは無料です。

お問い合わせはこちら →