最終更新: 2026年10月12日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ
インフルエンサーに商品を渡してPRしてもらう。健康食品では一般的な施策ですが、2023年10月から景品表示法の規制対象になりました。見落とされやすいのは、責任を負うのがインフルエンサーではなく発注した側だという点です。本記事では、何をすれば足りるのかを整理します。
💡 ステルスマーケティング規制は2023年(令和5年)10月1日に施行されました。事業者の広告であるにもかかわらず、第三者の自主的な感想であるかのように見せる表示が景品表示法違反となります。消費者庁は「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です」としており、「企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません」と明示しています。
⚡ この記事のポイント
- 2023年10月1日施行。景品表示法の指定告示による規制
- 責任を負うのは広告主。インフルエンサー本人は規制対象外
- 金銭を払っていなくても、商品提供だけで「事業者の表示」になりうる
- 投稿者が勝手に効果を述べた場合も、広告主の表示として扱われうる
- 実務上の対処はレギュレーションの事前配布と投稿前確認
責任を負うのは誰か
この規制でまず押さえるべきは、対象者です。消費者庁の説明は明確です。
規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。
企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません。
つまり、投稿したインフルエンサーが措置命令を受けるのではなく、依頼した側の事業者が受けます。「本人の判断で書いたことだから」という切り分けは通りません。
健康食品の場合、ここに薬機法の問題が重なります。投稿者が独自の判断で「飲んだら体調が変わった」と書いた場合、それが広告主の表示として扱われれば、医薬品的効能効果の標ぼうを広告主がしたことになる可能性があります。
どこから「事業者の表示」になるのか
金銭を支払った場合だけが対象ではありません。事業者が表示内容の決定に関与していれば、対価の形は問われません。
| 関わり方 | 事業者の表示になりうるか |
|---|---|
| 報酬を支払って投稿を依頼 | 🔴 なる |
| 商品を無償提供して投稿を依頼 | 🔴 なる |
| 投稿内容に指示・要望を出した | 🔴 なる |
| アフィリエイト報酬が発生する | 🔴 なりうる |
| 投稿前に内容を確認・修正依頼した | 🔴 なる |
| 依頼なしに本人が購入して投稿 | 🟢 ならない |
判断の軸は「事業者が表示内容の決定に関与したか」です。無償提供であっても、投稿を期待して渡していれば関与にあたります。
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実務で何をするか
やることは大きく3つです。
① 広告である旨を明示させる
「PR」「広告」「〇〇社から商品提供」といった表示を、消費者が認識できる位置と大きさで入れてもらいます。本文の末尾に小さく書く、大量のハッシュタグに紛れ込ませる、といった形では足りないと解されています。
② レギュレーションを事前に配る
健康食品では、これが最も重要です。言ってよい表現と、絶対に書いてはいけない表現を、具体例の形で渡します。
- 🔴 書いてはいけない例:「〇〇が治った」「痩せた」「免疫力が上がった」「身長が伸びた」
- 🟡 文脈次第:「朝がすっきり」「調子がいい」といった体調の暗示
- 🟢 書いてよい例:味・飲みやすさ・大きさ・続けやすさ・パッケージの感想
- 🟢 配合の事実:「ビタミンC 1,000mg入り」など、表示値に沿った記述
「ダメな表現リスト」だけでなく、「代わりにこう書ける」の例を一緒に渡すと、投稿の質が安定します。禁止だけ伝えると、投稿者は何も書けなくなるか、境界を自己判断します。
③ 投稿前に確認する
確認すると「表示内容の決定に関与した」ことになりますが、関与を避けるために確認しないのは本末転倒です。どのみち広告主の責任になるのですから、確認したうえで整える方が安全です。
記録を残す
措置命令の調査では、どういう依頼をしたかが問われます。
- 依頼時に渡したレギュレーションの控え
- 投稿前確認のやり取り
- 修正を依頼した場合はその内容
- 表示の根拠資料(景表法第7条第2項への備え)
口頭やDMだけで進めると、後から「どう伝えたか」を示せません。文書で渡し、控えを残す運用にしておくと、起用数が増えたときに管理が破綻しません。
よくある質問
Q. 「#PR」を付ければ足りますか?
A. 表示の位置と視認性が問われます。多数のハッシュタグの末尾に埋もれていたり、「もっと見る」を押さないと見えない位置にあったりすると、一般消費者が認識できる表示とは言えません。
Q. 商品を送っただけで、投稿は依頼していません。
A. 投稿を期待して提供していれば、関与があったと評価されうる領域です。「投稿は任意」と伝えていたとしても、提供の事実と投稿の間に関係があれば安全とは言えません。
Q. 過去の投稿も対象になりますか?
A. 施行は2023年10月1日ですが、現在も表示されている投稿は現在の表示として評価されます。過去の施策で残っている投稿がある場合、確認しておくほうが安全です。
Q. アフィリエイターの記事も同じですか?
A. アフィリエイト広告も、広告主の表示として扱われる場合があります。成果報酬の有無にかかわらず、表示内容に関与していれば対象です。
表示方針の整理からご相談ください
製品の設計段階から、使える訴求と使えない訴求を一緒に整理できます。インフルエンサー施策を前提とした企画もご相談ください。
- ✅ 使える表現・使えない表現を先にお伝えします
- ✅ 栄養機能食品など、制度を使った訴求設計
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関連ページ:コンプライアンス方針 / OEM/ODM開発サービス / 見積もりシミュレーター
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