「GMP認定」と「GMP準拠」は別物|OEM委託先の表記を確認する4つの質問

基礎知識

最終更新: 2026年10月10日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ

OEMメーカーのサイトには「GMP準拠」「GMP認定」「GMP認証」といった言葉が並びます。しかしこの3つは意味が違い、片方は第三者の審査を経たもの、もう片方は自己申告です。本記事では、委託先を選ぶ側が何をどう確認すればよいかを、確認方法の形でまとめます。

💡 「GMP認定」と「GMP準拠」は別物です。認定・認証は第三者機関の審査を経て付与されるもので、証明書の番号と有効期限があります。一方「GMP準拠」「GMPに沿った製造」は、事業者自身が基準に沿って運用していると述べているもので、第三者の確認を伴いません。どちらが良い悪いではなく、確認できる範囲が違います。委託先を選ぶ際は、表記がどちらなのかを先に区別してください。

⚡ この記事のポイント

  • 「認定・認証」は第三者審査を経たもの、「準拠」は自己申告
  • 認定を謳う場合は認証機関名・証明書番号・有効期限を確認できる
  • 認定がないこと自体は問題ではない。隠していることが問題になる
  • 設備・工程・記録の説明が具体的かどうかが、実態を見分ける手がかり
  • 自社製造と協力工場の線引きを明示しているかも確認する

認定・認証と準拠はどう違うか

健康食品のGMPには、公益財団法人日本健康・栄養食品協会(JHNFA)や一般社団法人日本健康食品規格協会(JIHFS)といった民間団体による認定制度があります。工場が審査を受け、適合すると認定工場として登録されます。

この場合、認証機関名・認定番号・有効期限・対象となる製造所が存在します。委託先候補が認定を受けているなら、これらを提示してもらえます。

一方「GMP準拠」「GMPの考え方に沿った製造」は、事業者が自ら述べている状態です。手順書を整備し記録を残していれば嘘ではありませんが、第三者が確認した事実ではありません。

表記 意味 確認できるもの
GMP認定・認証 第三者機関の審査に適合 認証機関名・番号・有効期限・対象製造所
GMP準拠・適合 事業者が基準に沿って運用していると述べている 手順書・記録の実物、現場の運用
GMP対応・GMP基準の工場 定義が曖昧。文脈で意味が変わる 何を指すのか質問が必要

確認のしかた

難しい専門知識は要りません。次の順で聞けば、表記の実態はおおむね分かります。

  1. 「認定ですか、準拠ですか」と直接聞く。この質問に即答できない場合、社内で区別されていない可能性があります
  2. 認定の場合、認証機関名と有効期限を聞く。有効期限が切れていれば現在は認定工場ではありません
  3. 認定の対象となる製造所を確認する。複数拠点のうち一部だけが認定されていることがあります
  4. 準拠の場合、手順書と記録の実物を見せてもらえるか聞く。見学時に製造記録の様式を確認すると運用の実態が分かります

ここで重要なのは、認定がないこと自体は選定除外の理由にならないという点です。認定取得には費用と期間がかかり、小規模な製造所では未取得のところが珍しくありません。問題になるのは、未取得であることを曖昧な表記で覆い隠している場合です。

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記載の具体性を見る

認定の有無とは別に、記載がどれだけ具体的かも実態を映します。

多くのOEMサイトの設備欄には「V型ミキサー」「流動層乾燥機」「ロータリー打錠機」といった一般名詞が並びます。これは業界で広く使われる機器の名前であって、その工場が何を持っているかを示す情報量は多くありません。

一方、型式・寸法・処理能力まで書かれている場合、書いた側はその機械を特定できています。工場見学で照合もできます。どちらが信頼できるかは明らかです。

  • 設備は型式まで書かれているか
  • 工程の順序が示されているか(混合→打錠→研磨→金属検出→検査→包装、など)
  • 検査を自社でやるのか外部委託なのかが書かれているか
  • 生産能力の数字に、設備構成から見て無理がないか

最後の点は意外と見落とされます。打錠機1台の工場が月産数億錠と書いていれば、数字が独り歩きしています。台数と能力は掛け算で検算できます。

自社製造か協力工場か

もう一つ確認したいのが、どの剤形を自社で作り、どれを協力工場に委託しているかです。

OEM業界で協力工場を使うのは一般的で、それ自体に問題はありません。むしろ、錠剤・カプセル・ドリンク・ゼリーのすべてを自社設備で製造できる会社のほうが稀です。

確認したいのは、その線引きが明示されているかどうかです。委託先が変われば、品質管理の経路も、トラブル時の連絡経路も変わります。発注する側としては、自社の製品がどこで作られるのかを把握しておく必要があります。

当社の場合
天丸製薬は、GMP認定・ISO22000・HACCPなどの第三者認証を取得していません。「GMP準拠設備」という位置づけで、現在、健康食品GMPに対応する体制を構築中です。錠剤は大阪の自社工場で製造し、カプセル・粉末・ドリンク・ゼリーは協力工場で製造しています。設備の型式と製造フロアの区画は自社工場のページに、品質方針と責任体制は品質方針・責任体制に掲載しています。

よくある質問

Q. GMP認定のない工場に委託して大丈夫ですか?

A. 認定の有無だけで判断するものではありません。手順書と記録が整備され、工程と設備を説明でき、見学で照合できるのであれば、委託先として検討できます。ただし取引先の調達基準で認定が必須とされている場合は、その要件が優先します。

Q. 認定の有無はどこで確認できますか?

A. 認定機関が認定工場の一覧を公表している場合があります。委託先に認証機関名と認定番号を聞いたうえで、その機関の公表情報と照合するのが確実です。

Q. 「GMP対応」という表記はどう解釈すればよいですか?

A. 定義が曖昧な表現です。認定を指すのか、自社での運用を指すのか、文脈では判別できません。質問して確認してください。即答が返ってこない場合、社内でも区別されていない可能性があります。

Q. 工場見学は必ず受け入れてもらえますか?

A. 受け入れ可否は会社によります。衛生管理上、製造中の区域に入れない場合もあります。受け入れ可能か、どこまで見られるかを事前に確認しておくと、訪問時の齟齬が避けられます。

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設備の型式・寸法、製造フロアの区画、どの剤形をどこで作るかを公開しています。工場見学も事前予約制でお受けしています。

  • ✅ 設備は型式・寸法まで公開(自社工場・製造設備)
  • ✅ 第三者認証は未取得。その旨を明記しています
  • ✅ 自社製造と協力工場の線引きを剤形ごとに公開
  • ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし

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関連ページ:自社工場・製造設備 / 品質方針・責任体制 / 品質管理体制

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