最終更新: 2026年10月13日 | 監修: 天丸製薬 法規制コンプライアンス室
景品表示法の誤認には2種類あります。品質を実際より良く見せる優良誤認と、取引条件を実際より有利に見せる有利誤認です。健康食品では前者の話が多いのですが、価格表示で問題になるのは後者です。
💡 有利誤認表示とは、価格や取引条件を実際より著しく有利であると誤認させる表示です。「通常価格5,000円が今だけ2,980円」という二重価格表示で、その通常価格で実際に販売した実績がない場合が典型です。また「最安値」「業界No.1」といった表示には、調査の範囲と時点を示せる根拠が必要です。定期購入の「初回限定価格」も、2回目以降の条件が分かりにくければ問題になりえます。
⚡ この記事のポイント
- 優良誤認は品質、有利誤認は価格・取引条件
- 二重価格の「通常価格」は販売実績が必要
- 「最安値」「No.1」は調査範囲と時点の根拠が要る
- 定期購入では解約条件と2回目以降の価格を明示する
- 打消し表示を小さく置くのは対策にならない
2種類の誤認
| 優良誤認 | 有利誤認 | |
|---|---|---|
| 何を誤認させるか | 品質・規格・内容 | 価格・取引条件 |
| 典型例 | 根拠のない効果の表示 | 実績のない「通常価格」 |
| 健康食品での例 | 「飲むだけで痩せる」 | 「今だけ半額」(常時半額) |
| 根拠の提出 | 🔴 15日以内(第7条第2項) | 調査・実績の資料 |
健康食品の広告チェックは効果表現に集中しがちですが、価格の見せ方も同じ法律の対象です。効果表現を慎重にしても、価格表示で問題になることがあります。
二重価格表示
「通常価格 5,000円 → 特別価格 2,980円」という表示の場合、比較対照に使った価格に実際の販売実績が必要です。
- その価格で、相当期間にわたって販売していたか
- 実際に販売した実績があるか(表示していただけでは足りない)
- いつの価格かが明確か
販売したことのない価格を「通常価格」として示すと、有利誤認にあたる可能性があります。セールを常時行っている状態で「今だけ」と表示するのも同様です。
比較対照に他社の価格を使う場合は、その価格が実際に販売されている価格であること、同等の商品であることが必要になります。
📋 当社の遵守法令はコンプライアンス方針に掲載しています。
「最安値」「No.1」
こうした表示には、客観的な根拠が必要です。
- 調査の範囲──どの市場、どの商品群と比べたか
- 調査の時点──いつの時点の比較か
- 調査の主体と方法──誰がどう調べたか
- 表示との対応──調査結果と表示内容が合っているか
「〇〇部門売上No.1」のような表示では、その部門の定義と出典を併記するのが一般的です。出典を小さく書いて本文で大きく「No.1」と謳う構成は、打消し表示の問題として評価されることがあります。
調査を自社で行う場合も、方法が合理的で再現できるものである必要があります。
定期購入の表示
健康食品で問題になりやすいのがここです。
| 表示 | 何を明示すべきか |
|---|---|
| 「初回500円」 | 🔴 2回目以降の価格と回数 |
| 「いつでも解約可」 | 解約の方法・期限・条件 |
| 「送料無料」 | 適用条件(初回のみか、継続中か) |
| 「〇回縛りなし」 | 実際に1回で解約できるか |
初回価格を大きく示し、継続条件を小さく書く構成は、有利誤認として問題になりえます。また特定商取引法の通信販売に関する規定も併せて適用されます。
総額がいくらになるのか、何回以上の購入が必要なのかを、消費者が購入前に把握できる形で示す必要があります。
打消し表示は対策にならない
小さな文字で条件を書いておけば足りる、という考え方は通りません。消費者庁は打消し表示の実態調査を行っており、次が評価されます。
- 文字の大きさ(本文との対比)
- 配置(本文から離れていないか)
- 色・背景とのコントラスト
- 表示されている時間(動画・スクロールの場合)
本文の印象を覆せないほど目立たない打消し表示は、考慮されないと判断されることがあります。条件があるなら、条件を含めた形で本文を書くほうが確実です。
よくある質問
Q. 製造会社は広告の責任を負いますか?
A. 表示の主体は販売者です。当社は製造を担当します。ただし受注段階で明らかに問題のある表現をご相談いただいた場合は、懸念をお伝えします。
Q. 「希望小売価格」なら使えますか?
A. 製造業者等が設定し、あらかじめ公表されている価格であれば比較対照に使える場合があります。ただし実態として機能していない価格を設定するのは問題になりえます。
Q. 期間限定セールを繰り返すのは問題ですか?
A. 常時セール状態で「今だけ」と表示するのは、有利誤認にあたる可能性があります。セール価格が実質的な通常価格になっている場合、表示を見直す必要があります。
Q. 違反するとどうなりますか?
A. 措置命令や課徴金納付命令の対象となります。公表されるため、ブランドへの影響も生じます。
訴求と価格の両方を確認します
効果表現だけでなく、価格の見せ方も同じ法律の対象です。企画段階でご相談ください。
- ✅ 薬機法・健康増進法・景表法を分けて確認
- ✅ 遵守法令はコンプライアンス方針に公開
- ✅ 懸念がある表現は率直にお伝えします
- ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし
関連ページ:コンプライアンス方針 / 費用・料金ガイド / OEM/ODM開発サービス
同じカテゴリの記事
剤形の選び方、ロット、原価の考え方など、まだ形になっていない段階でも構いません。
初回のご相談・お見積りは無料です。