金属検出機は何を見ているか|検出できるもの・できないもの

基礎知識

最終更新: 2026年10月16日 | 監修: 天丸製薬 品質保証部

金属検出機は「異物対策をしています」の象徴として語られがちですが、実際には何を検出でき、何を検出できないかがはっきり決まっています。設置してあるから安心、ではありません。本記事では、原理から見た能力と限界を整理します。

💡 金属検出機は、磁界の変化で金属片を見つける装置です。通過する製品が磁界を乱す量で判定するため、金属の種類・大きさ・形状、そして製品側の水分や塩分によって感度が変わります。鉄は検出しやすく、ステンレスは検出しにくい性質があります。また検出できるのは金属だけで、毛髪・樹脂片・ガラスは対象外です。設置位置と運用の組み合わせで初めて意味を持ちます。

⚡ この記事のポイント

  • 原理は磁界の乱れ。金属の種類で検出しやすさが違う
  • 鉄>非鉄>ステンレスの順に検出が難しくなる
  • 製品の水分・塩分が多いと感度が落ちる(製品効果)
  • 毛髪・樹脂・ガラスは検出できない。別の対策が要る
  • 始業時・終業時のテストピース確認が運用の要

何を見ているのか

金属検出機は、トンネル状の検出部に磁界を作り、そこを製品が通過するときの変化を測ります。金属が入っていると磁界が乱れ、その信号で判定します。

つまり見ているのは「金属そのもの」ではなく「磁界の乱れ方」です。ここから能力の限界が導かれます。

金属の種類検出しやすさ理由
鉄(Fe)◎ 最も検出しやすい磁性があり磁界を大きく乱す
非鉄(アルミ・銅など)○ 検出できる導電性による渦電流で検出
ステンレス(SUS304等)△ 最も難しい磁性が弱く導電性も低い

皮肉なことに、製造設備に最も多く使われているのがステンレスです。機械由来の金属片は、最も検出が難しい種類であることが多いという構図になります。

製品そのものが邪魔をする

水分や塩分を含む製品は、それ自体が導電性を持つため磁界を乱します。これを製品効果と呼びます。

製品効果が大きいと、製品の信号と金属の信号を区別できなくなります。誤検出を避けるために感度を下げると、今度は小さな金属片を見逃します。感度は上げればよいというものではありません。

  • 乾燥した粉体・錠剤 → 製品効果が小さく、感度を上げやすい
  • 水分の多い製品(ゼリー・ドリンク)→ 製品効果が大きく、感度を上げにくい
  • 金属を含む包材(アルミ蒸着フィルム)→ 包装後は通せない

最後の点が、設置位置を決めます。アルミ包材を使う製品では、包装後に金属検出機を通すことが物理的にできません。包装前のバルク状態で通す必要があります。

📋 当社の工程と設備は自社工場ページで公開しています。

どこに置くかで意味が変わる

当社の自社工場では、IMD-IIS-Mを打錠後・包装前の位置に置き、バルク状態で全数を通しています。理由は2つです。

  1. 検出感度が最も高い状態──乾燥した錠剤は製品効果が小さい
  2. 包材に金属が入る前──アルミ包材を使う場合、包装後は通せない

ただしこの配置には引き換えがあります。金属検出より後の工程で混入したものは、検出機を通りません。

包装工程には金属部品があります。当社の包装ラインには賞味期限を印字するホットスタンプがあり、ここには交換式の金属活字が入っています。これが脱落すれば、金属検出を済ませた製品に混入します。

そのため、稼働前後で活字の本数を数える運用を点検項目に入れています。設備の配置で守れない部分は、手順で守るしかありません。

金属以外は検出できない

当然ながら、金属検出機は金属しか見ません。

異物金属検出機対策
金属片🟢 検出できる金属検出機+設備点検
毛髪🔴 不可作業着・帽子・入室前の確認
樹脂片🔴 不可器具の点検・破損時の記録
ガラス🔴 不可ガラス製品の持込制限
虫🔴 不可防虫管理・外観検査
外観の異常🔴 不可目視検査

だから最終的に人の目で全数を見る工程が残ります。当社では包装前に検査員が着座して全数を目視確認しています。機械と人は置き換えの関係ではなく、見るものが違います。

運用が性能を決める

金属検出機は、置いてあるだけでは機能しません。

  • 始業時・終業時のテストピース確認──既知の大きさの金属片を通し、確実に反応することを確認
  • 反応しなかった場合、前回確認時以降の製品をさかのぼって扱う
  • 排除された製品の記録と処置
  • 感度設定の記録(製品ごとに変わるため)

この確認を省略すると、「通した」という記録は残っても「検出できる状態だった」ことは証明できません。記録が意味を持つのは、確認とセットになっているときだけです。

よくある質問

Q. 何mmの金属まで検出できますか?

A. 製品と金属の種類によります。乾燥した錠剤であれば比較的小さなものまで検出できますが、水分の多い製品では感度を下げざるを得ません。具体的な感度は、実際の製品でテストピースを通して確認します。

Q. X線検査機のほうが良いのでは?

A. X線は金属以外の高密度異物(ガラス・石・骨など)も検出でき、包装後の検査も可能です。一方で導入費用と維持費が大きく、低密度の異物(毛髪・樹脂の一部)は苦手です。当社はX線検査機を保有していません。

Q. 全数通せば異物混入はなくなりますか?

A. なくなりません。検出できるのは金属だけで、しかも検出機より後の工程での混入は通りません。設備・手順・人の確認を組み合わせて初めて機能します。

Q. 感度設定は誰が決めますか?

A. 製品ごとに、実際にテストピースを通して決めます。処方や水分量が変われば設定も変わるため、リニューアル時には再設定が必要です。

工程と設備をそのままご確認ください

どの工程にどの設備があり、何をどう確認しているか。型式まで公開しています。工場見学も事前予約制でお受けしています。

  • ✅ 金属検出 IMD-IIS-M をバルク状態で全数通過
  • ✅ 包装前に検査員が全数を目視確認(YJX-220B)
  • ✅ 設備の型式・寸法を公開(自社工場・製造設備)
  • ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし

今すぐ無料相談(24時間受付)

関連ページ:自社工場・製造設備 / 品質管理体制 / 品質方針・責任体制

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