最終更新: 2026年10月14日 | 監修: 天丸製薬 法規制コンプライアンス室
原材料名の欄は、最後に埋める項目だと思われがちです。しかし表示順の誤りや添加物の区分漏れは、回収につながる典型的なミスです。本記事では、間違えやすい3点を、食品表示基準の考え方に沿って整理します。
💡 原材料名は重量の多い順に、添加物は原材料と区分して表示します。食品表示基準では、原材料と添加物をそれぞれ重量順に並べ、両者を明確に区分することが求められます。区分の方法は、スラッシュで区切る、改行する、別欄を設けるなどです。「どれが添加物か」が読み手に分かる形になっていなければ、区分されているとは言えません。
⚡ この記事のポイント
- 原材料・添加物はそれぞれ重量の多い順に並べる
- 原材料と添加物は明確に区分する(スラッシュ・改行・別欄)
- 賦形剤・滑沢剤など「製造に使うもの」も添加物として表示対象
- アレルゲンは原材料名の中、または一括表示で漏れなく記載
- 配合を変えたら表示順も変わる。処方変更時は必ず見直す
① 重量順を間違える
最も基本的で、最も多いミスです。原材料名は重量の多い順に並べます。添加物も同様に、添加物の中で重量順です。
間違いが起きやすいのは、こんな場面です。
- 訴求したい成分を先頭に置きたくて、順序を入れ替える
- 試作で配合を変えたあと、表示案を更新し忘れる
- 「主成分」という感覚で並べ、実際の重量と食い違う
サプリメントでは、有効成分より賦形剤のほうが重いことがよくあります。1粒300mgのうち有効成分が50mg、残りが結晶セルロースなどであれば、表示の先頭に来るのは賦形剤です。訴求成分が3番目に出てくることに違和感を持たれる方もいますが、重量順が原則です。
② 添加物の区分が曖昧
原材料と添加物は、読み手が区別できる形で分ける必要があります。
| 区分の方法 | 例 |
|---|---|
| スラッシュで区切る | 還元麦芽糖、コラーゲンペプチド/結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム |
| 改行する | 原材料名を1行目、添加物を次の行に |
| 別欄を設ける | 「原材料名」欄と「添加物」欄を分ける |
見落とされやすいのが、製造に使う添加物です。錠剤を作るには、粉を固めるための結合剤、機械にくっつかないようにする滑沢剤、粒を増量する賦形剤が必要です。これらは有効成分ではありませんが、製品に残るため表示対象になります。
「添加物不使用」を訴求したい場合、造粒や打錠の設計そのものを見直す必要が出てきます。訴求を先に決めてから処方を作ると、この点で詰まります。
📋 表示案は処方設計と同時に確認しています。無料相談はこちら
③ アレルゲンの記載漏れ
アレルゲンは健康被害に直結するため、最も慎重に扱う項目です。
特に注意したいのが、原料そのものではなく、原料に含まれる成分です。
- ゼラチンの由来(牛・豚・魚)
- 乳由来の成分(乳糖、ホエイなど)
- 大豆由来の乳化剤
- 小麦由来のでんぷん
- えび・かに由来のキチン・キトサン
原料メーカーのCOA(分析証明書)や規格書に記載があるため、受入時に確認して記録する運用にします。複数の原料を扱うと、どこに何が含まれるかが人の記憶では追えません。
また、同じラインで他品目を製造している場合のコンタミネーション(混入)についても検討が要ります。当社の錠剤ラインは単一ラインのため、専用ラインによる分離はできません。製造切替時の洗浄と、表示での正確な記載で対応しています。
処方を変えたら必ず見直す
配合を1つ変えると、連動して変わるものがあります。
| 変えたもの | 連動して見直すもの |
|---|---|
| 有効成分の配合量 | 原材料の表示順、栄養成分値 |
| 賦形剤の種類 | 添加物欄、アレルゲン |
| 原料メーカーの変更 | アレルゲン、原産地、規格 |
| 粒重量 | 1日摂取目安量あたりの成分値 |
リニューアルで「中身を少し変えるだけ」のつもりが、表示を全面的に作り直すことになるのはこのためです。変更の影響範囲を先に洗い出しておくと、パッケージの入稿直前で慌てずに済みます。
よくある質問
Q. 表示案は誰が作りますか?
A. 最終的な表示は販売者が決定します。ただし製造者として、配合から導かれる表示順や添加物の区分についてはご提案しています。当社では処方設計と同時に表示案を確認する運用です。
Q. 「無添加」と書けますか?
A. 何に対する無添加かを明確にする必要があり、消費者庁は食品添加物の不使用表示について留意事項を示しています。錠剤では賦形剤や滑沢剤が入るため、単純に「無添加」と書けるケースは限られます。
Q. 原産地は書かなければいけませんか?
A. 加工食品では、重量割合が最も高い原材料について原料原産地名の表示が必要です。サプリメントでも対象となるため、原料メーカーに確認して記載します。
Q. 表示を間違えたまま出荷したらどうなりますか?
A. 内容により回収が必要になります。特にアレルゲンの誤表示・欠落は健康被害につながるため、速やかな回収と行政への報告が求められます。入稿前の確認工程を省略しないことが最大の予防です。
表示案は処方と一緒に確認します
配合が決まった段階で、表示順・添加物区分・アレルゲンを合わせて整理します。リニューアルの影響範囲の洗い出しもご相談ください。
- ✅ 処方設計と表示案を同時に確認
- ✅ 原料のアレルゲン情報は受入時に記録
- ✅ 単一ラインのため、切替時の洗浄で対応(自社工場)
- ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし
関連ページ:コンプライアンス方針 / 包装・パッケージサービス / 品質管理体制
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