最終更新: 2026年9月26日 | 監修: 天丸製薬 事業開発・マーケティング部
「親世代が飲んでいたもの」というイメージは、資産にも負債にもなります。ある事業者は、黒酢という古い素材を若年層に届けるため、素材ではなく体験を作り直しました。本記事では、伝統素材ブランドの立ち上げプロセスを実際の数値とともに紹介します。
💡 黒酢・もろみ酢の伝統素材ブランド事例とは、食経験の長い黒酢・もろみ酢を素材として、若年層向けにブランドを再構築したOEM成功事例です。素材そのものではなく摂取体験を刷新する方針を採り、風味を出さない剤形とデザインの刷新により既存イメージから距離を取りつつ、食経験の長さは信頼の根拠として活用した点が特徴です。
⚡ この記事のポイント
- 伝統素材の古さは資産と負債の両面を持つ
- 素材は変えず、摂取体験とデザインを刷新
- 風味を出さない剤形で既存イメージから距離を取った
- 食経験の長さは安全性の説明材料として活用
- 初回2,000個を自社ECと一部セレクトショップで展開
背景|古さという二面性
この事業者は、黒酢の製造に長く関わってきた背景を持ちます。素材としての価値は理解していましたが、顧客の年齢層が上がり続けていることが課題でした。
若年層に調査を行うと、反応は明確でした。黒酢という素材を知らないわけではありません。むしろ知っているからこそ、「親が飲んでいたもの」「あの匂いのもの」という既存イメージが、そのまま購入しない理由になっていました。
一方で、食経験の長さは強みでもあります。何十年も飲まれてきたという事実は、新しい成分にはない安心感を持ちます。この二面性をどう扱うかが企画の焦点でした。
開発プロセス|体験だけを作り直す
方針は「素材は変えない、体験を変える」でした。素材を変えれば強みも失われます。変えるべきは、摂取したときの体験とブランドの見え方です。
最初に取り組んだのが剤形です。液体では、どうしても既存の黒酢体験になります。そこで、風味を感じないソフトカプセルを選択しました。匂いと味という、忌避の直接原因を取り除いています。
デザインも既存の健康食品文脈から離しました。和風の意匠や健康訴求の強いビジュアルを避け、日用品として置ける外観にしています。
ただし、素材の歴史は隠していません。むしろ製品情報の中で、なぜこの素材なのかを丁寧に説明しました。忌避されるのは体験であって、素材の背景ではないという整理です。
立ち上げ時の詳細データ
💬 既存素材のリニューアル相談は無料相談フォームから。健康食品OEM・ODM総合ガイドもご参照ください。
初回ロットは2,000個。自社ECと一部セレクトショップでの展開です。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 2,000個 | 自社EC+セレクトショップ |
| 剤形 | ソフトカプセル | 風味・匂いを回避 |
| デザイン方針 | 健康食品文脈から距離を取る | 日用品としての外観 |
| 情報開示 | 素材の背景を丁寧に説明 | 歴史は隠さない |
| リードタイム | 初回相談から約6ヶ月 | デザイン検討を含む |
素材を変えずに層を変える
この事例が示すのは、新しい層に届けるために必ずしも新しい素材が必要ではないという点です。忌避されているのが素材なのか体験なのかを切り分けることで、打ち手が変わりました。
剤形の変更は、素材の価値を保ったまま忌避要因だけを取り除く手段として機能しました。原料調達も既存のネットワークをそのまま使えるため、コスト面でも有利です。
食経験の長さは、情報開示の中で活かされました。新規成分と比べて、長く食べられてきたという事実は説明の説得力を持ちます。特に安全性への関心が高い層には有効でした。
訴求面では、黒酢ともろみ酢の違いを明確にする必要がありました。両者を混同した訴求は、原材料表示との整合を欠くおそれがあるためです。この点は設計段階で整理しています。
小ロットから始めるという考え方
1. 忌避の対象を切り分ける:素材が嫌われているのか、体験が嫌われているのか。答えによって打ち手が全く変わります。
2. 剤形変更は最も費用対効果の高い刷新:原料調達を変えずに体験だけを変えられます。
3. 歴史は隠さず、説明に使う:古さを消すのではなく、安全性の根拠として位置づけ直す方法があります。
天丸製薬では、既存素材の剤形変更によるリニューアルのご相談も承っています。
本事例の主要数値まとめ
| 指標 | 実績値 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 2,000個 | 自社EC+セレクトショップ |
| 変更点 | 剤形とデザインのみ | 素材は変更せず |
| 剤形 | ソフトカプセル | 風味・匂いを回避 |
| 立ち上げ期間 | 約6ヶ月 | デザイン検討を含む |
| 情報開示 | 素材の背景を説明に活用 | 古さを信頼に転換 |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. 古い素材を若年層に届けることはできますか?
A. できます。ただし忌避されているのが素材なのか体験なのかを切り分ける必要があります。この事例では調査の結果、素材を知らないのではなく「親が飲んでいたもの」「あの匂いのもの」という既存の体験イメージが購入しない理由になっていました。
Q. 素材を変えずにリニューアルできますか?
A. 剤形の変更が最も費用対効果の高い刷新になります。この事例では素材は変えず、風味を感じないソフトカプセルへ変更して匂いと味という忌避の直接原因を取り除きました。原料調達も既存のネットワークをそのまま使えるためコスト面でも有利です。
Q. 素材の古さは隠すべきですか?
A. 隠さず、安全性の根拠として位置づけ直すほうが有効です。この事例では製品情報の中でなぜこの素材なのかを丁寧に説明しました。何十年も飲まれてきたという食経験の長さは新しい成分にはない安心感を持ち、特に安全性への関心が高い層に効きます。
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※ 本事例は取材・実務経験をもとに、お客様が特定されないよう再構成しています。記載の数値は各社の状況によって異なり、同様の成果をお約束するものではありません。
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