最終更新: 2026年9月22日 | 監修: 天丸製薬 事業開発・マーケティング部
中国で健康食品を一般貿易で売るには、保健食品としての登録が必要になります。時間も費用もかかるこの壁を、越境ECという枠組みで回避した事例があります。ただし越境ECにも独自の制約があり、そこを理解しないまま参入すると躓きます。本記事では、実際の数値とともに紹介します。
💡 中国越境ECでの日本製サプリ販売事例とは、日本の健康食品ブランドが、中国の越境EC(保税区モデル)を活用して販売を伸ばしたEC成功事例です。一般貿易で必要となる保健食品登録を経ずに販売できる一方、越境EC向けポジティブリストの範囲内であることや個人輸入枠の制約があるため、対象商品の選定と配合設計を制度から逆算した点が特徴です。
⚡ この記事のポイント
- 一般貿易では保健食品としての登録に時間と費用がかかる
- 越境ECは個人輸入の枠組みで販売できるが独自の制約がある
- 越境EC向けの対象品目リストの範囲内かを事前確認
- 日本国内向けと配合を分けた専用SKUを設計
- 初回は保税区モデルで在庫リスクを抑えて開始
背景|制度が参入障壁になる市場
このブランドは国内で一定の実績を積み、海外展開を検討していました。中国市場は規模の面で魅力的でしたが、制度の壁が立ちはだかります。
中国で健康食品を一般貿易で流通させるには、保健食品としての登録または届出が必要です。手続きには時間と費用がかかり、成分によっては認められないこともあります。中小規模の事業者にとって、これは事実上の参入障壁でした。
展開プロセス|制度から逆算する
そこで選んだのが越境ECです。越境ECは個人輸入の枠組みで取引されるため、一般貿易とは適用される制度が異なります。保健食品としての登録を経ずに販売することが可能です。
ただし、何でも売れるわけではありません。越境ECで取り扱える品目にはリストがあり、その範囲内かを事前に確認する必要があります。また、個人あたりの購入限度額など、取引規模に関する制約も存在します。
そこで、制度を先に確認したうえで、対象となる範囲で成立する処方を設計しました。日本国内向けの既存商品をそのまま持ち込むのではなく、越境EC専用のSKUを新設しています。
物流は保税区モデルを採用しました。中国国内の保税倉庫に在庫を置き、注文後に通関して配送する仕組みです。直送モデルより配送が速く、購買体験が改善します。
展開の詳細データ
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初回は保税区モデルで、在庫リスクを抑えた形で開始しました。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 販売形態 | 越境EC(保税区モデル) | 一般貿易は不採用 |
| 商品 | 越境EC専用SKUを新設 | 国内向けの転用は不採用 |
| 事前確認 | 取扱可能品目・成分の該当性 | 設計より先に実施 |
| 物流 | 中国国内の保税倉庫を活用 | 注文後に通関・配送 |
| 立ち上げ期間 | 約8ヶ月 | 制度確認・現地パートナー選定含む |
越境ECという選択の効果と限界
越境ECの最大の利点は、参入までの期間の短さです。保健食品登録を待たずに市場に出られるため、需要の有無を検証してから本格投資を判断できます。
また「日本から届く」という文脈自体が価値になります。国内で流通している商品をそのまま買えるという点が、品質の裏付けとして受け止められる面がありました。
一方で限界もあります。個人輸入の枠組みである以上、取引規模には制約があります。大規模な展開を目指す段階では、結局は一般貿易への移行を検討することになります。
また、制度は変更されます。越境ECの取扱品目や税制は改定されることがあるため、継続的なモニタリングが不可欠です。この事例でも、現地のパートナーと定期的に情報を確認する体制を作っています。
小ロットから始めるという考え方
1. 制度から逆算して商品を作る:既存商品を持ち込む発想では、制度の壁に当たります。制度を確認してから処方を設計する順序が有効です。
2. 越境ECは検証手段として使える:本格投資の前に需要を確認できる点が最大の価値です。
3. 制度は変わる前提で体制を作る:一度確認して終わりではなく、継続的なモニタリングが必要になります。
天丸製薬では、輸出先の制度要件を踏まえた処方設計と、輸出用SKUの小ロット製造に対応しています。
本事例の主要数値まとめ
| 指標 | 実績値 | 備考 |
|---|---|---|
| 販売形態 | 越境EC(保税区モデル) | 一般貿易は不採用 |
| 商品構成 | 越境EC専用SKU | 国内向けの転用は不採用 |
| 立ち上げ期間 | 約8ヶ月 | 制度確認・パートナー選定含む |
| 開発順序 | 制度確認→処方設計 | 逆順では手戻り |
| 運用 | 制度変更を継続モニタリング | 現地パートナーと定期確認 |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. 中国で健康食品を売るには保健食品の登録が必要ですか?
A. 一般貿易で流通させる場合は登録または届出が必要で、手続きに時間と費用がかかり成分によっては認められないこともあります。一方、越境ECは個人輸入の枠組みで取引されるため適用される制度が異なり、保健食品としての登録を経ずに販売することが可能です。
Q. 越境ECなら何でも売れますか?
A. 売れません。越境ECで取り扱える品目にはリストがあり、その範囲内かを事前に確認する必要があります。また個人あたりの購入限度額など取引規模に関する制約も存在します。この事例では制度を先に確認したうえで、対象となる範囲で成立する処方を設計しました。
Q. 越境EC専用の商品を作る必要はありますか?
A. この事例では専用SKUを新設しました。日本国内向けの既存商品をそのまま持ち込む発想では制度の壁に当たるためです。なお越境ECの取扱品目や税制は改定されることがあるため、現地パートナーと定期的に情報を確認する体制が不可欠です。
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