最終更新: 2026年9月22日 | 監修: 天丸製薬 研究開発・原料調達グループ
細胞膜を構成するリン脂質という位置づけから、記憶や集中をテーマにした製品で採用されてきたのがホスファチジルセリンです。原料は大豆由来が中心で、機能性表示食品の関与成分としての実績もあります。一方、油脂性の粉末という性質が製造上の扱いを難しくします。本記事では研究開発の現場視点で解説します。
💡 ホスファチジルセリンとは、細胞膜を構成するリン脂質(グリセロリン脂質)の一種で、健康食品では大豆レシチンを原料とした大豆由来ホスファチジルセリンが主に用いられます。機能性表示食品の関与成分としての届出実績があり、油脂性の粉末であるため吸湿・固結対策と打錠設計が実務上の要点になります。
⚡ この記事のポイント
- ホスファチジルセリンは細胞膜を構成するリン脂質の一種
- 健康食品では大豆由来が主流(大豆はアレルゲン表示対象)
- 機能性表示食品の関与成分としての届出実績がある
- 油脂性粉末のため吸湿・固結と打錠性が課題
- 天丸製薬の2024年実績:脂質系素材の配合処方15件
ホスファチジルセリンとは何か
ホスファチジルセリンは、細胞膜を構成するリン脂質の一種です。グリセロリン脂質に分類され、体内では特に神経系の細胞膜に多く存在することが知られています。
健康食品では、記憶や集中といったテーマの製品に配合されてきました。機能性表示食品の関与成分としての届出実績があるため、根拠に基づく訴求を設計しやすい素材です。
かつては動物由来の原料が用いられていましたが、現在は大豆レシチンを原料とした大豆由来のものが主流です。
原料タイプの選び方
原料選定では、ホスファチジルセリンとしての含量規格が最も重要です。原料の重量ではなく、規格成分としての含量で配合計算を行います。
また、大豆由来であることからアレルゲン表示の対象になります。ヒマワリ由来など大豆以外を基原とする原料もありますが、流通量と規格の観点で選択肢は限られます。
| 項目 | 内容 | 設計上のポイント |
|---|---|---|
| 含量規格 | PSとしての含量(%) | 配合計算の基準。要確認 |
| 基原 | 大豆レシチン由来が主流 | 大豆はアレルゲン表示対象 |
| 形態 | 粉末(担体に吸着) | 担体の種類で流動性が変わる |
| 高含量品 | PS含量を高めた原料 | コストと配合量のバランス |
| 複合原料 | 他のリン脂質との複合 | 規格成分を個別に確認 |
配合設計のポイント
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ホスファチジルセリンは1日摂取目安量が比較的小さく、届出事例でも百ミリグラム規模です。そのため、配合量そのものは大きな制約になりません。
課題は原料の物性です。油脂性の粉末であるため、そのままでは流動性が悪く、他の粉体との混合や打錠で問題が生じやすくなります。担体に吸着させた形態の原料を選ぶことで、扱いやすさが改善します。
剤形はハードカプセルが最も設計しやすく、次いで錠剤です。粉末やドリンクでは、油脂性による分散性の問題を考慮する必要があります。
複合設計では、ビタミンB群やDHA・EPAなどと組み合わせ、テーマ性を持たせた処方が一般的です。
製造上の留意点
1. 吸湿・固結:吸湿すると固結し、流動性がさらに低下します。防湿包材と、必要に応じた造粒による対応を検討します。
2. 打錠性:油脂性成分は打錠障害の原因になります。配合比率が高い処方では、造粒条件と滑沢剤の設計が重要です。
3. 酸化管理:リン脂質は酸化しやすいため、遮光包材と脱酸素剤の組合せを検討し、安定性試験で経時変化を確認します。天丸製薬ではGMP準拠設備で最終包装形態での安定性を確認しています。
表示上の留意点
記憶や認知に関する訴求は、表現の踏み込み方によって医薬品的効能効果に該当するリスクが高い領域です。特に加齢に伴う変化に言及する表現は注意が必要になります。
根拠に基づく訴求を行いたい場合は、機能性表示食品としての届出が現実的な選択肢です。関与成分としての届出実績があるため、既存の届出内容を参照しながら設計を進められます。天丸製薬では届出サポートと広告表現の事前レビューを提供しています。
天丸製薬の脂質系素材の実績(2024年)
| 指標 | 天丸製薬 | 備考 |
|---|---|---|
| 脂質系素材 配合処方数 | 15件 | リン脂質系含む |
| 油脂性粉末の扱い | 造粒・滑沢剤設計で対応 | 打錠障害への対策 |
| 吸湿対策 | 防湿包材+造粒 | 固結防止 |
| 酸化管理 | 遮光包材+脱酸素剤 | 安定性試験で確認 |
| 機能性表示食品 | 届出サポート対応 | 関与成分としての実績あり |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. ホスファチジルセリンはなぜ扱いにくいのですか?
A. 油脂性の粉末だからです。そのままでは流動性が悪く、他の粉体との混合や打錠で問題が生じやすくなります。担体に吸着させた形態の原料を選ぶことで扱いやすさが改善し、剤形としてはハードカプセルが最も設計しやすく、次いで錠剤となります。
Q. 配合量の計算で注意する点は?
A. 原料の重量ではなくホスファチジルセリンとしての含量規格で計算します。届出事例でも百ミリグラム規模のため配合量そのものは大きな制約になりませんが、含量規格が明示されていない原料では計算の基準が定まりません。
Q. 記憶や認知に関する訴求は可能ですか?
A. 表現の踏み込み方によって医薬品的効能効果に該当するリスクが高い領域です。特に加齢に伴う変化に言及する表現は注意が必要になります。根拠に基づく訴求を行いたい場合は機能性表示食品としての届出が現実的な選択肢で、関与成分としての届出実績があります。
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