最終更新: 2026年9月20日 | 監修: 天丸製薬 事業開発・マーケティング部
「20種類配合」と「3種類だけ」。棚に並んだとき強く見えるのは前者です。しかしあるD2Cブランドは、後者を選びました。成分数を減らすという決断は、訴求の弱さではなく説明責任の引き受けでした。本記事では、立ち上げプロセスを実際の数値とともに紹介します。
💡 ミニマル処方で差別化したD2Cの事例とは、配合成分を3種類に絞ったサプリをD2Cで展開した成功事例です。多成分配合が主流の市場において、各成分の配合根拠と量を全て開示できる状態を優先し、成分数の少なさを透明性の訴求へ転換した点、原価配分を成分数ではなく1成分あたりの配合量に振り向けた点が特徴です。
⚡ この記事のポイント
- 配合成分を3種類に絞り、全成分の配合根拠と量を開示
- 成分数の少なさを透明性の訴求へ転換
- 原価を成分数ではなく1成分あたりの配合量に配分
- 初回1,000個、自社ECのみで展開
- 成分表示への質問が減り、問い合わせ対応工数が下がった
背景|多成分配合への疑問
創業者は健康食品業界で商品企画を担当していた経歴を持ちます。そこで感じていたのが、成分数のインフレでした。
競合が15種類配合なら自社は20種類。この競争が続くと、1成分あたりの配合量は必然的に減ります。パッケージには多くの成分名が並びますが、それぞれが意味のある量になっているとは限りません。
この構造に対する疑問が、ブランドの出発点でした。数を競うのをやめて、量と根拠を説明できる製品を作る。それが差別化になるという仮説です。
開発プロセス|3つに絞り込む
処方設計は、足すのではなく削る作業になりました。候補として挙げた成分について、なぜ入れるのか、どの量で入れるのかを説明できるかを基準に絞り込んでいます。
最終的に残ったのは3成分でした。それぞれについて、根拠となる研究で用いられている量を確認し、その水準を満たす配合量を設定しています。
原価配分も変わりました。多成分配合では原価が薄く広く配分されますが、この処方では3成分に集中します。結果として、1成分あたりの配合量は市場平均を大きく上回りました。
パッケージも設計思想を反映しています。成分名を羅列せず、3成分とその配合量を大きく記載する構成にしました。裏面ではなく表面に量を書く判断です。
立ち上げ時の詳細データ
💬 処方設計・配合根拠のご相談は無料相談フォームから。健康食品OEM・ODM総合ガイドもご参照ください。
初回ロットは1,000個。自社ECのみでの展開です。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 1,000個 | 自社ECのみ |
| 配合成分数 | 3成分 | 全成分の配合量を開示 |
| 原価配分 | 3成分に集中 | 1成分あたりの量を優先 |
| パッケージ | 表面に配合量を記載 | 成分名の羅列を回避 |
| リードタイム | 初回相談から約4ヶ月 | 処方の絞り込みに議論 |
引き算が差別化になった理由
成分数を絞ることの最大の効果は、説明可能性でした。3成分であれば、なぜ入っているのか、どれだけ入っているのかを全て説明できます。20成分では現実的に不可能です。
この透明性が、情報感度の高い層に響きました。既に複数のサプリを試したことがある層は、成分表示の見方を知っています。配合量が明記されていない製品との違いが、そのまま選ばれる理由になりました。
運用面での効果もありました。成分に関する問い合わせが減ったのです。配合量が最初から開示されているため、確認の連絡が発生しません。カスタマーサポートの工数が下がりました。
一方で、この設計は万人向けではありません。「たくさん入っているほうがお得」と感じる層には響かないため、ターゲットを絞る前提の戦略になります。
小ロットから始めるという考え方
1. 成分数は訴求力ではなく説明負債になり得る:増やすほど、一つひとつの根拠を説明できなくなります。
2. 開示は問い合わせを減らす:先に情報を出すことは、運用コストの削減にも直結します。
3. 引き算戦略はターゲットを選ぶ:全ての層に響く戦略ではないことを前提に、対象を絞る必要があります。
天丸製薬では、配合根拠を説明できる処方設計と、開示を前提とした表示案の作成をサポートしています。
本事例の主要数値まとめ
| 指標 | 実績値 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 1,000個 | 自社ECのみ |
| 配合成分数 | 3成分 | 全量を開示 |
| 1成分あたり配合量 | 市場平均を上回る水準 | 原価を集中配分 |
| 立ち上げ期間 | 約4ヶ月 | 絞り込みの議論に時間 |
| 運用効果 | 成分に関する問い合わせが減少 | サポート工数の削減 |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. 成分数が少ないと売れないのではないですか?
A. ターゲット次第です。この事例では3成分に絞り、それぞれについて根拠となる研究で用いられている量を確認して配合量を設定しました。既に複数のサプリを試したことがある層は成分表示の見方を知っており、配合量が明記されていない製品との違いがそのまま選ばれる理由になりました。
Q. 成分を絞ると原価はどうなりますか?
A. 配分が変わります。多成分配合では原価が薄く広く配分されますが、この事例では3成分に集中したため1成分あたりの配合量が市場平均を大きく上回りました。パッケージも成分名を羅列せず、3成分とその配合量を表面に大きく記載する構成としています。
Q. 開示を増やすと問い合わせは増えませんか?
A. 減りました。この事例では成分に関する問い合わせが減少しています。配合量が最初から開示されているため確認の連絡が発生せず、カスタマーサポートの工数が下がりました。先に情報を出すことは運用コストの削減にも直結します。
D2Cブランドの立ち上げをご検討の方へ
配合根拠を説明できる処方設計と、開示を前提とした表示案の作成をサポートします。成分の絞り込みからご相談ください。
- ✅ 配合根拠を明示できる処方設計
- ✅ 開示を前提とした表示案の作成
- ✅ 小ロットでのテスト販売に対応
- ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし
※ 本事例は取材・実務経験をもとに、お客様が特定されないよう再構成しています。記載の数値は各社の状況によって異なり、同様の成果をお約束するものではありません。
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