最終更新: 2026年9月19日 | 監修: 天丸製薬 事業開発・マーケティング部
駅の売店で買われるものには共通点があります。急いでいる、荷物を増やしたくない、片手で持てる。この3条件が、健康食品の常識的な設計とことごとくぶつかりました。ある鉄道会社は、この制約に合わせて商品そのものを作り替えています。本記事では、立ち上げプロセスを実際の数値とともに紹介します。
💡 鉄道会社の駅ナカ健康食品ブランド事例とは、鉄道会社が自社の駅構内小売事業向けに健康食品ブランドを立ち上げたOEM成功事例です。滞在時間が極端に短く荷物を増やしたくない通勤客という購買条件に合わせ、小型・軽量・即断できるパッケージ設計と、通勤という反復行動に紐づけた継続購買の導線を採用した点が特徴です。
⚡ この記事のポイント
- 駅ナカは滞在時間が短く、比較検討が発生しにくい売場
- 小型・軽量・片手で持てることが設計の必須条件
- 通勤という反復行動が継続購買と相性がよい
- 初回8,000個を主要駅20店舗で先行展開
- 1回使い切りサイズで「今日の分」という購買文脈を作った
背景|駅という特殊な売場
この鉄道会社は駅構内で小売事業を展開しており、収益源の多様化を検討していました。健康食品は単価と粗利の面で魅力がある一方、売場との相性に疑問がありました。
駅ナカの購買行動は独特です。滞在時間は極めて短く、多くの客は電車の時間を気にしています。パッケージの裏面を読み込むような比較検討は発生しません。加えて、通勤客は荷物を増やしたがりません。
一般的な健康食品は、1ヶ月分のボトルで、成分情報を読ませる前提で設計されています。この売場とは真逆でした。
開発プロセス|1ヶ月分をやめる
最初に捨てた前提が「1ヶ月分」でした。ボトルは重く、かさばり、購入判断も重くなります。
代わりに採用したのが、1回使い切りの個包装です。「今日の分を買う」という購買文脈を作ることで、判断のハードルを下げました。単価も低くなり、初めての客が試しやすくなります。
パッケージは、遠目でも識別できる配色と、3秒で用途が分かる構成にしました。文字量を大幅に削り、色と形で分類を伝える設計です。複数のバリエーションを同時展開し、その日の状態で選べるようにしています。
剤形は個包装のスティック粉末とチュアブル錠の2タイプ。どちらも水がなくても摂取でき、片手で扱えることを条件としました。
受託製造の進め方|小ロットからの立ち上げ
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初回ロットは8,000個。主要駅20店舗で先行展開しました。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 8,000個 | 主要駅20店舗で先行 |
| 販売単位 | 1回使い切りの個包装 | 1ヶ月分ボトルは不採用 |
| 剤形 | スティック粉末・チュアブル錠 | 水なし・片手で完結 |
| パッケージ | 色と形で分類を伝える | 文字量を大幅削減 |
| リードタイム | 初回相談から約6ヶ月 | 複数SKU同時開発 |
反復動線がもたらした強み
駅ナカ最大の資産は、同じ人が毎日通ることです。一般的な小売では、同じ客が同じ売場を通る頻度はここまで高くありません。
この反復性は、単品購入の弱点を補いました。1回分ずつの購入でも、通勤のたびに接触があるため、結果的に継続的な購買につながります。定期購入の仕組みを作らなくても、動線が継続を支える構造です。
また、駅ナカでの購買は「思い出して買う」行動が中心です。そのため、売場での視認性が売上に直結します。文字を減らし色で識別させる設計は、この行動特性に合っていました。
一方で、パッケージ面積が小さいため、法定表示の配置は設計上の制約になりました。表示可能面積を早い段階でシミュレーションし、デザインと同時に検討しています。
小ロットから始めるという考え方
1. 売場の滞在時間が情報量を決める:3秒で判断される売場では、情報を減らすことが正解になります。
2. 反復動線は定期購入の代替になる:毎日通る売場なら、仕組みを作らなくても継続が生まれます。
3. 小型パッケージは表示設計が先:面積が小さいほど、法定表示のシミュレーションを早く行う必要があります。
天丸製薬では、小型パッケージにおける表示面積のシミュレーションを設計初期に実施しています。
本事例の主要数値まとめ
| 指標 | 実績値 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回ロット | 8,000個 | 主要駅20店舗で先行 |
| 販売単位 | 1回使い切り | 1ヶ月分は不採用 |
| 剤形 | スティック粉末・チュアブル錠 | 水なし・片手で完結 |
| 立ち上げ期間 | 約6ヶ月 | 複数SKU同時開発 |
| 継続の仕組み | 通勤動線が代替 | 定期購入なし |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 品質管理体制
よくある質問
Q. 駅ナカで健康食品は成立しますか?
A. 設計を変えれば成立します。この事例では最初に「1ヶ月分」という前提を捨て、1回使い切りの個包装にしました。ボトルは重くかさばり購入判断も重くなるためです。「今日の分を買う」という購買文脈を作ることで判断のハードルを下げ、単価も下がって試しやすくなりました。
Q. 滞在時間が短い売場のパッケージ設計は?
A. 文字量を大幅に削り、色と形で分類を伝える構成にします。この事例では遠目でも識別でき3秒で用途が分かる設計とし、複数バリエーションを同時展開してその日の状態で選べるようにしました。3秒で判断される売場では情報を減らすことが正解になります。
Q. 小型パッケージで気をつけることは?
A. 法定表示の配置です。パッケージ面積が小さいほど表示可能面積の制約が厳しくなるため、天丸製薬では設計初期に表示面積のシミュレーションを実施し、デザインと同時に検討します。デザイン確定後に表示が入らないと分かると全面やり直しになります。
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