外部試験機関の使い方|何をどこに出し、成績書をどう使うか

基礎知識

最終更新: 2026年10月21日 | 監修: 天丸製薬 品質保証部

自社で分析機器を持たない製造所は珍しくありません。その場合、試験は外部の試験機関に委託します。何をどこに出すか、費用はどう決まるか、成績書をどう使うか。本記事では委託の実務を整理します。

💡 外部試験機関への委託は、分析項目ごとに依頼し、成績書を受け取る形で行います。委託する項目は、成分含量・微生物・重金属・残留農薬・安定性試験などです。費用は項目数と検体数で決まり、分析方法によっても変わります。第三者が発行した成績書は、自社測定値より客観性が高く、取引先や行政に示しやすいという利点があります。

⚡ この記事のポイント

  • 委託する項目は成分・微生物・重金属・残農・安定性が中心
  • 費用は項目数×検体数。測定点を減らすと安くなるが根拠も薄くなる
  • 分析方法を指定しないと、求めた精度と違う結果が返ることがある
  • 検体の送り方(量・包装・温度)で結果が変わることがある
  • 成績書は根拠資料として保管する。賞味期限+1年が目安

何を外に出すか

項目何を見るかいつ必要か
成分含量表示値どおり入っているか表示値を謳うとき/定期確認
微生物一般生菌数・大腸菌群・カビ酵母出荷判定/安定性試験
重金属鉛・カドミウム・水銀・ヒ素原料受入/製品確認
残留農薬基準値超過がないか植物由来原料を使うとき
安定性試験経時変化賞味期限の設定
アレルゲン意図しない混入拭き取り検査/製品確認

当社は分析機器を自社保有していません。これらの項目は外部の試験機関に委託し、発行された成績書をもって判定しています。自社では外観検査(全数目視)・重量検査・金属検出(全数)といった、工程内で確認できる項目を担当します。

費用の決まり方

費用は項目数 × 検体数が基本です。

安定性試験では、測定点の数が効いてきます。0か月・3か月・6か月・12か月と測れば、同じ項目を4回測ることになります。測定点を減らせば安くなりますが、データの点が減るほど推定の確からしさは落ちます。

また、分析方法によって単価が変わります。同じ「ビタミンC」でも、簡易法と公定法では精度も費用も違います。何に使う数値かによって方法を選びます。表示値の根拠にするなら公定法が安全です。

📋 試験項目の選定からご相談いただけます。品質方針・責任体制

依頼のしかた

依頼時に伝える情報で、結果の使い勝手が変わります。

  1. 何のための試験か──表示値の根拠/出荷判定/安定性/クレーム対応
  2. 分析方法の指定──公定法か簡易法か。指定しないと機関側が選びます
  3. 検出下限の希望──どこまで小さい値を見たいか
  4. 検体の情報──製品名、ロット、製造日、保存条件
  5. 納期──通常は数週間。急ぎの場合は割増になることがあります

とくに1番目が重要です。用途を伝えると、適切な方法を提案してもらえます。「とりあえず測ってください」だと、目的に合わない方法で測られることがあります。

検体の扱い

送り方で結果が変わることがあります。

  • 量──分析に必要な量は項目ごとに違う。不足すると再送になる
  • 包装──製品と同じ包装のまま送るか、取り出して送るか。安定性試験は包装のまま
  • 温度──常温で問題ないか、冷蔵・冷凍が要るか
  • 識別──どのロットの検体か明記する。混ざると追跡できない

安定性試験では、保管している検体を取り出すタイミングも記録します。予定日から大きくずれると、データの意味が変わります。

成績書の使い方

受け取った成績書は、根拠資料として保管します。

  • 製造記録と紐づける──どのロットの検体か分かる形で
  • 保管期間──賞味期限+1年が目安
  • 取引先への提示──求めに応じて発行できる状態にしておく
  • 表示値の根拠──景表法第7条第2項の照会に備える

第三者が発行した成績書は、自社測定値よりお客様に示しやすいという利点があります。測定の客観性という点では、外部委託は不利ではないと考えています。委託先と試験項目は、ご要望に応じて開示します。

よくある質問

Q. 自社で分析できる会社のほうが安心ではないですか?

A. 自社分析は結果が早く得られる利点があります。一方で、測定の客観性という点では第三者機関の成績書のほうが示しやすい面があります。どちらが優れているというより、何に使う数値かによります。

Q. 試験機関はどこを使っていますか?

A. 項目と目的に応じて選定しています。委託先と試験項目は、ご要望に応じて開示します。お取引の条件として特定の機関を指定される場合も、ご相談ください。

Q. 結果が基準を外れたらどうなりますか?

A. 出荷を止めて原因を究明します。原料か、工程か、検体の扱いか。再分析で確認することもあります。基準を外れた製品は出荷しません。

Q. 費用は見積りに含まれますか?

A. 項目数によって変わるため、別建てでお示しするのが一般的です。見積り時に、どの試験が含まれていて何が別途かを明記します。

試験項目の選定からご相談ください

何のための数値かによって、測る項目も方法も変わります。目的から逆算して設計します。

  • ✅ 成分分析・微生物・重金属は外部試験機関に委託
  • ✅ 第三者発行の成績書で判定(品質方針)
  • ✅ 自社では外観・重量・金属検出を全数確認(設備を公開)
  • ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし

今すぐ無料相談(24時間受付)

関連ページ:品質方針・責任体制 / 品質管理体制 / 自社工場・製造設備

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