📅 最終更新日: 2026年1月30日 | ✍️ 著者: 製造技術グループ
どれだけ優れた成分を配合しても、「まずくて続けられない」では商品の価値を発揮できません。サプリメントの継続服用率には「味・飲みやすさ」が大きく影響しており、リピート購入率の向上には欠かせないファクターです。
本記事では、サプリメントのフレーバー・味の設計から消費者受容性の評価方法まで、実務的な視点で解説します。
💡 健康食品の商品開発とは、市場調査・コンセプト設計・処方設計・サンプル試作・品質検査・パッケージデザイン・法規制確認を経て、新しい健康食品を市場に投入するまでの一連のプロセスです。
なぜ「味」がサプリの継続率に影響するのか
⚡ この記事の要点(商品開発の流れ)
- 健康食品の商品開発は企画→処方→サンプル→本生産→納品の5ステップ
- 天丸製薬では企画段階から無料で処方提案・コスト試算を提供
- サンプル完成まで2〜4週間、本生産は4〜8週間が目安
- 機能性表示食品の届出サポートまでワンストップ対応
消費者調査によれば、サプリメントの服用をやめる理由のトップ3には「効果を感じない」「飲むのを忘れる」そして「味や臭いが気になる」が常に入ります。特にグミ・チュアブル・粉末タイプでは味が直接的な評価に影響します。
剤形別の「味の問題」の深刻度
- 錠剤・カプセル:水で飲み込むため直接の味は少ないが、後味・臭い漏れが問題になることがある
- チュアブル錠:口の中で溶けるため味が直結。甘味・酸味のバランスが重要
- グミサプリ:食べ物に近い体験のため、味が消費者評価のほぼすべてを決める
- パウダー・スティック顆粒:水や飲料に溶かして飲むため、溶液の風味が重要
- ドリンクタイプ:味が最も評価されやすいが、成分由来の苦み・臭いを隠す難易度が高い
成分由来の不快な味・臭いとその対処法
🏭 天丸製薬の独自データ(2024年実績)
| 年間製造ロット数 | 523ロット(前年比+12%) |
| 初回小ロット率(500個以下) | 全体の43%(D2C・EC事業者の参入増加) |
| リピート発注率 | 78%(業界平均55%) |
| 機能性表示食品届出サポート | 年間32件(受理率98.4%) |
| サンプル→本生産移行率 | 89% |
| 平均リードタイム | サンプル18日 / 本生産37日 |
| 品質クレーム率 | 0.08%(業界平均0.5%) |
※天丸製薬 2024年度社内集計データ
多くの機能性成分は天然由来であるため、特有の苦み・青臭さ・生臭さを持っています。これらを適切にマスキングすることが味設計の基本です。
代表的な問題成分と対処法
- フィッシュオイル(EPA・DHA):魚の生臭さが最大の課題。対処法:ソフトカプセル化、腸溶性コーティング、高精製品の使用、レモン等の香料添加
- ビタミンB群:苦みと特有の臭い。対処法:コーティング処理、フルーツ系香料でマスキング
- 鉄分(硫酸鉄等):金属臭・収斂味。対処法:ヘム鉄の使用、コーティング、ビタミンCとの同時配合
- 亜鉛:金属系の後味。対処法:有機亜鉛(グルコン酸亜鉛等)の使用でマスキング
- プロテイン系成分:粉っぽさ・苦味。対処法:加水分解(ペプチド化)、バニラ・チョコ等の香料
- 緑黄色野菜エキス:青臭さ・土臭さ。対処法:フルーツ系香料との組み合わせ、スプレードライ加工
マスキング技術の種類
不快な味・臭いを隠すマスキング技術には以下の方法があります。
- コーティング法:フィルムコーティング・糖衣で成分を包み、口内での溶出を防ぐ
- マイクロカプセル化:成分をマイクロカプセルに封入。臭い漏れを最小化
- 香料添加:フルーツ系・ハーブ系の香料で不快な臭いを打ち消す
- 甘味料使用:苦みを甘みで中和。ステビア・エリスリトール等のカロリーゼロ甘味料も活用
- 酸味料の活用:クエン酸・リンゴ酸等で爽快感を加え、後味をリセット
フレーバー設計の実際:消費者受容性の高い味の傾向
サプリメントで人気のフレーバーには傾向があります。ターゲット層とコンセプトに合わせたフレーバー選定が重要です。
年齢・性別別の人気フレーバー傾向
- 20〜30代女性:ピーチ・ベリー系・フルーティーな甘酸っぱさ。ナチュラル・オーガニック感
- 40〜50代女性:上品な甘さのグレープ・プラム・ハーブ系
- 20〜30代男性:グレープフルーツ・ライム・スポーティな酸味
- 40〜50代男性:コーヒー・チョコレート・苦みを受け入れるフレーバー
- シニア層:馴染みある梅・緑茶・シンプルな甘さ
「ナチュラル感」を演出するフレーバー設計
健康食品では「添加物不使用」「無香料」への需要も一定あります。その場合は成分由来の自然な風味を活かし、厳選した天然香料を少量使用する設計が求められます。
官能評価の実施方法
試作品の味を評価する「官能評価」は、商品化の前に必ず実施すべきステップです。天丸製薬でも試作フェーズでの官能評価をサポートしています。
官能評価のパネリスト設定
- ターゲット層に近い10〜20名で実施するのが理想
- 社内スタッフだけの評価は主観が入りやすいため、外部パネルを必ず含める
- 可能であれば「実際に健康食品を購入している層」から選ぶ
評価項目の設定
- 外観:色・形・大きさに違和感がないか
- 臭い:嗅いだときの第一印象・気になる臭いの有無
- 味:甘み・苦み・酸味・塩味・旨みのバランス
- 後味:飲み込んだ後の残留する味・臭い
- テクスチャ:硬さ・崩れやすさ・飲み込みやすさ
- 総合評価:「また買いたいか」「続けられるか」
評価スケールの例
7段階評価スケール(−3:非常に悪い ~ +3:非常に良い)やVAS(Visual Analog Scale)を使って数値化することで、複数試作品の比較が容易になります。
パウダー・ドリンクタイプの溶解性と風味の調整
スティック顆粒やドリンクタイプでは、水への溶解性・溶液の色・泡立ちなども評価対象になります。
- 溶解性:冷水・常温水・温水での溶け方の確認(30秒以内の溶解が理想)
- 液色:成分由来の色が受け入れられるかを確認(緑・茶色等は見た目に影響)
- 沈殿・分離:放置後の沈殿・分離がないかを確認(吸水性素材が原因の場合も)
- 濃度感:希釈比率による風味の調整(水100mL vs. 200mLで全く印象が変わる)
試作フェーズで確認すべき全項目についてはサンプルフェーズのチェックリストも参照してください。また、パッケージとブランドイメージとの一貫性も忘れずに確認しましょう。詳しくはパッケージデザインのヒントをご参照ください。
フレーバー設計・官能評価のご相談は天丸製薬の処方開発チームにお任せください。ターゲット層に合わせたフレーバー提案と試作を一貫してサポートします。