最終更新: 2026年6月17日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ
魚油(DHA・EPA)、CoQ10、ビタミンA・D・Eといった脂溶性・液状の成分を配合するなら、ソフトカプセルが最適な剤形です。錠剤やハードカプセルでは扱いにくい油性成分を、酸化から守りながら高含量で充填でき、飲みやすさも兼ね備えています。一方で、ソフトカプセルは皮膜(ゼラチン等)と内容液の設計、専用設備が必要な製造難度の高い剤形でもあります。本記事では製造技術グループの視点から、ソフトカプセルOEMの配合設計・製造技術・品質管理を工程別に解説します。
💡 ソフトカプセルとは、ゼラチンなどの皮膜の中に液状・半固形の内容物を封入した一体成形のカプセル剤形です。魚油・植物油などの脂溶性成分や酸化しやすい成分を、空気・光から遮断して高含量で配合できるのが最大の利点。皮膜と内容液を同時成形するロータリーダイ方式で製造され、飲みやすさと安定性を両立します。
⚡ この記事のポイント
- ソフトカプセルは脂溶性・液状成分(魚油・CoQ10・ビタミンA/D/E)に最適な剤形
- 皮膜は動物性ゼラチンと植物性(でんぷん・カラギーナン)の2系統 — ヴィーガン対応も可能
- 酸素遮断性が高く、酸化しやすい成分の安定性確保に優れる
- 製造はロータリーダイ方式の専用設備が必要 — 内容液の粘度・皮膜厚の設計が品質の鍵
- 天丸製薬の2024年実績:ソフトカプセル製造19ロット、DHA・EPA系が最多
ソフトカプセルが選ばれる場面
剤形選択は配合成分の性質で決まります。ソフトカプセルが最適なのは、以下のような成分です。
1. 脂溶性・油性成分:魚油(DHA・EPA)、亜麻仁油、MCTオイル、CoQ10、ビタミンA・D・E、ルテイン、アスタキサンチンなど。これらは水に溶けず、錠剤化が難しいためソフトカプセルが第一選択です。
2. 酸化しやすい成分:オメガ3系脂肪酸は空気に触れると酸化(過酸化物価上昇)しやすいですが、ソフトカプセルは内容液を皮膜で完全密封するため、酸化を強力に抑制します。
3. 飲みやすさを重視する製品:表面がなめらかで喉ごしが良く、独特の匂いや味を皮膜で閉じ込められるため、魚油の生臭さが苦手な層にも届けられます。
皮膜の選択|ゼラチン vs 植物性
ソフトカプセルの骨格となる皮膜は、製品コンセプトに直結する選択です。
| 項目 | 動物性(ゼラチン) | 植物性(でんぷん・カラギーナン等) |
|---|---|---|
| 原料 | 豚・牛・魚由来コラーゲン | でんぷん・海藻多糖類 |
| 成形性・コスト | 成形容易・低コスト | やや高コスト・技術難度高 |
| 対応市場 | 一般流通 | ヴィーガン・ハラル・宗教対応可 |
| 食感 | 弾力があり飲みやすい | ゼラチンに近い改良が進む |
国内一般流通ならゼラチンが基本ですが、ヴィーガン訴求・海外輸出・宗教対応が必要なら植物性皮膜を選びます。魚由来ゼラチンは「牛・豚不使用」を訴求でき、ハラル・コーシャ対応の選択肢にもなります。
内容液の配合設計
ソフトカプセルの品質は内容液の設計で決まります。3つのポイントを押さえます。
1. 粘度の調整:内容液は充填に適した粘度に調整する必要があります。粘度が高すぎると充填精度が落ち、低すぎると皮膜から漏れるリスクがあります。植物油やレシチンで粘度を最適化します。
2. 酸化防止設計:魚油など酸化しやすい成分には、ビタミンE(トコフェロール)やローズマリー抽出物などの酸化防止剤を配合します。製造工程も窒素置換で酸素を排除します。
3. 皮膜との相互作用回避:内容液の成分が皮膜のゼラチンと反応して硬化・溶出不良を起こす場合があります(アルデヒド架橋など)。原料の組合せ確認が品質保証の要です。
製造フローと品質管理
ソフトカプセルの標準製造フローは以下の5工程です。
工程1: 皮膜液調製(ゼラチン・可塑剤・水を加熱溶解) → 工程2: 内容液調製(成分混合・脱気・窒素置換) → 工程3: 成形(ロータリーダイ方式で皮膜と内容液を同時成形) → 工程4: 乾燥(回転乾燥・棚乾燥で水分調整、数日間) → 工程5: 検査・選別(漏れ・形状・重量チェック、印字・包装)。
品質管理では皮膜厚と内容量の均一性が最重要です。ロータリーダイの精度管理により、1粒ごとの充填量ばらつきを最小化します。また乾燥工程の水分管理が不十分だと、皮膜の硬化・軟化や内容液漏れにつながるため、恒温恒湿環境での管理が必須です。天丸製薬では全ロットで漏れ検査と重量検査を実施し、ソフトカプセル特有の不良を排除しています。
天丸製薬のソフトカプセル製造実績(2024年)
| 指標 | 天丸製薬 | 備考 |
|---|---|---|
| ソフトカプセル製造ロット数 | 19ロット | DHA・EPA系が最多 |
| 対応皮膜 | 動物性・植物性・魚由来 | ヴィーガン/ハラル相談可 |
| 酸化防止設計 | 窒素置換+酸化防止剤標準 | 過酸化物価を管理 |
| 品質検査 | 全ロット漏れ・重量検査 | 充填量ばらつき最小化 |
| 賞味期限設計 | 安定性試験で担保 | 恒温恒湿庫4基 |
| 小ロット対応 | 100個から | 段階的スケール可 |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 製造体制
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