最終更新: 2026年6月11日 | 監修: 天丸製薬 製造技術グループ
「サプリは続かないけど、グミなら毎日食べられる」──Z世代・ミレニアル世代を中心に、グミサプリメントが健康食品市場の成長カテゴリとして急拡大しています。一方で製造視点では、グミは健康食品剤形の中でも技術難度が高い部類です。溶解工程の熱(110°C前後)による機能性成分の分解、ゲル化剤の選択、糖衣・酸味設計、夏場の耐熱性──錠剤・カプセルとは全く異なる設計思想が求められます。本記事では製造技術グループ視点で、グミサプリのOEM製造を工程別に徹底解説します。
💡 グミサプリメントとは、ゼラチンやペクチンで成形したグミ菓子に機能性成分を配合した健康食品の剤形です。「おいしく続けられる」摂取体験が最大の強みで、錠剤を嫌う層・子ども・シニアにも受け入れられやすく、ビタミン・コラーゲン・乳酸菌(殺菌)などの配合に適しています。製造には溶解熱への成分安定性設計が必須です。
⚡ この記事のポイント
- グミサプリ市場は2026年も2桁成長 — Z世代・「サプリ離れ」層の受け皿として拡大中
- 製造の核心は溶解工程(110°C前後)の熱対策 — 耐熱性成分選択または後添加工法で対応
- ゲル化剤はゼラチン(弾力・コスト)vs ペクチン(ヴィーガン・耐熱)の2択が基本
- 配合適性が高い成分: ビタミン類・コラーゲン・殺菌乳酸菌・GABA / 不向き: 生菌・酵素・一部苦味成分
- 天丸製薬の2024年実績: グミ製造17ロット、最小ロット100個(袋)から対応
グミサプリ市場の現状|なぜ伸びているのか
グミサプリの成長を支えるのは3つの構造変化です。
1. 「サプリ離れ」層の取り込み: 錠剤・カプセルに「薬っぽさ」を感じる20〜30代が、菓子感覚のグミなら継続できる。摂取のハードルを下げる剤形として機能しています。
2. SNS映えとブランド表現力: 色・形・食感の設計自由度が高く、D2CブランドがSNSで世界観を表現しやすい。パッケージもポーチ型で携帯性が高く、「デスクに置けるサプリ」として浸透しました。
3. 機能性表示食品の剤形拡大: GABA(ストレス・睡眠)、ルテイン(目)、コラーゲン(肌)など、グミ剤形での機能性表示届出受理が増加。「おいしい+機能性」の両立が制度面でも確立しています。
ゲル化剤の選択|ゼラチン vs ペクチン
グミの骨格を決めるゲル化剤は、製品コンセプトに直結する最初の選択です。
| 項目 | ゼラチン | ペクチン |
|---|---|---|
| 食感 | 弾力のある「噛みごたえ」 | ソフト・歯切れの良さ |
| 耐熱性 | 低い(夏場輸送で軟化リスク) | 高い(常温流通に強い) |
| 対応市場 | 動物由来(豚・牛) | 植物由来 — ヴィーガン・ハラル対応可 |
| コスト | 低い | やや高い |
| 酸との相性 | 強酸でゲル弱化 | 酸性域で安定(柑橘系と好相性) |
国内向け一般流通ならゼラチン、海外輸出・ヴィーガン訴求・夏場耐性重視ならペクチンが基本線です。両者をブレンドして食感と耐熱性を両立させる設計も実務では多用されます。
最大の技術課題|溶解工程の熱と機能性成分
グミ製造では原料を110°C前後で溶解し、型に流し込んで冷却成形します。この熱履歴が機能性成分の最大の敵です。
耐熱性で分類した配合適性:
| 適性 | 成分例 | 対応工法 |
|---|---|---|
| ◎ 高耐熱 | コラーゲンペプチド・GABA・殺菌乳酸菌・ミネラル類 | 通常溶解で配合可 |
| ○ 条件付き | ビタミンC・B群(一部分解見込み) | 分解率を見込んだ過剰配合(オーバージ) |
| △ 後添加推奨 | ビタミンA・D・E、ルテイン、DHA/EPA | 温度低下後(60〜70°C)に添加 |
| × 不向き | 生菌(プロバイオティクス)・酵素・一部ポリフェノール | 剤形変更または殺菌菌体へ代替 |
たとえば「乳酸菌グミ」は生菌では成立しないため、殺菌乳酸菌(ポストバイオティクス)への置き換えが定石です。熱安定性が高く、菌体数表示も経時で変わらないため、グミとの相性は抜群です。
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味・食感・外観の設計実務
グミは「おいしさ」が継続率に直結するため、味設計の比重が他剤形より圧倒的に大きくなります。
1. マスキング設計: コラーゲンの獣臭、GABAの酸味、ビタミンB群の苦味は、果汁(マスカット・レモン・ベリー系)+クエン酸+香料の組合せでマスキングします。試作3〜6回での味確定が標準です。
2. 糖類設計: 砂糖+水飴が基本ですが、「シュガーレス」訴求ならマルチトール・エリスリトール設計に切り替えます。ただし糖アルコールは過摂取でお腹が緩くなるため、1日摂取目安量の設計と注意表示が必須です。
3. 外観・形状: 金型の自由度が高く、ハート・星・果実型などブランド独自形状が可能。表面のシュガーコート(酸味パウダー)は食感アクセントと同時に付着防止の機能も果たします。
グミOEMの製造フローと品質管理
標準的な製造フローは以下の5工程です。
工程1: 原料溶解(110°C前後) → 工程2: 機能性成分添加(耐熱性に応じ温度帯を選択) → 工程3: 充填・成形(スターチモールドまたはシリコン型) → 工程4: 乾燥・熟成(24〜72時間、水分活性Aw0.6以下まで) → 工程5: 包装(個包装またはポーチ、脱酸素剤同梱)。
品質管理では水分活性(Aw)管理が最重要です。Aw0.6を超えるとカビ・酵母リスクが急増するため、乾燥工程の管理と包材の防湿性(アルミポーチ推奨)が賞味期限を左右します。天丸製薬では全ロットでAw測定を実施し、賞味期限12〜18か月の設計を標準としています。
天丸製薬のグミ製造実績データ(2024年)
| 指標 | 天丸製薬 | 備考 |
|---|---|---|
| グミ製造ロット数 | 17ロット | 前年比+89% |
| 最小ロット | 100個(袋)から | 金型は汎用形状利用時 |
| 味確定までの平均試作回数 | 4.2回 | 標準3〜6回 |
| 賞味期限設計 | 12〜18か月 | 全ロットAw測定 |
| 機能性表示グミ対応 | GABA・ルテイン・コラーゲン | SR活用届出 |
| ヴィーガン対応(ペクチン) | 対応可 | ハラル相談可 |
関連ページ: 健康食品OEM・ODM総合ガイド / OEM商品カタログ / 製造体制
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