最終更新: 2026年9月2日 | 監修: 天丸製薬 研究開発・原料調達グループ
動物と植物の両方の性質を持つ微細藻類として、健康食品の世界で独自の地位を築いてきたのがユーグレナ(和名ミドリムシ)です。59種類ともいわれる栄養素の幅と、ユーグレナ特有の多糖体パラミロンが訴求の核になります。本記事では研究開発の現場視点で、ユーグレナの原料タイプ、配合設計、表示戦略を解説します。
💡 ユーグレナ(ミドリムシ)とは、動物と植物の両方の特徴を持つ微細藻類で、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・不飽和脂肪酸など幅広い栄養素を含みます。細胞壁を持たないため栄養素の消化性が高いとされ、ユーグレナ特有の β-1,3-グルカンであるパラミロンを含む点が他の藻類原料との差別化要素になります。
⚡ この記事のポイント
- ユーグレナは動物性・植物性の両方の栄養素を併せ持つ微細藻類
- 細胞壁を持たないため消化性が高いとされる
- 特有の多糖体パラミロン(β-1,3-グルカン)が差別化要素
- 独特の風味と濃緑色への対応が製品設計の鍵
- 天丸製薬の2024年実績:藻類・植物由来素材の配合処方17件
ユーグレナとは何か
ユーグレナは、和名をミドリムシという単細胞の微細藻類です。光合成を行う植物的な性質と、鞭毛で移動する動物的な性質を併せ持ち、その結果としてビタミン類・ミネラル・アミノ酸・不飽和脂肪酸といった幅広い栄養素を含みます。
植物細胞と異なり硬い細胞壁を持たないため、含まれる成分の消化性が高いとされる点が、クロレラやスピルリナといった他の藻類原料と比較したときの特徴です。また、ユーグレナだけが作る貯蔵多糖パラミロンを含みます。
原料タイプと選定
ユーグレナ原料は培養方法と加工形態で選びます。屋外培養と屋内培養では品質の安定性とコストが異なります。
健康食品用途では、乾燥粉末が主流です。パラミロン含量を規格として管理している原料であれば、訴求の根拠として使いやすくなります。
| 項目 | 内容 | 設計上のポイント |
|---|---|---|
| 培養方式 | 屋内培養・屋外培養 | 屋内は品質安定、屋外はコスト有利 |
| 加工形態 | 乾燥粉末が主流 | 粒度で分散性が変わる |
| パラミロン | 規格管理された原料を選択 | 差別化の根拠になる |
| 色調 | 濃緑色 | 他成分の色を覆う前提で設計 |
| 風味 | 藻類特有の風味あり | マスキング設計が必要 |
配合設計のポイント
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ユーグレナは色と風味の主張が強い原料です。処方全体をユーグレナ主体で組むか、少量配合で栄養補助的に使うかで設計が大きく変わります。
主体で組む場合は、濃緑色と藻類の風味を「自然由来の証」として意匠に取り込む方が製品として成立します。青汁系との組合せは相性がよく、大麦若葉やケールと合わせる設計が一般的です。
少量配合の場合は、色移りの管理が課題になります。錠剤では表面の斑点として現れやすいため、造粒工程での均一化やコーティングによる被覆を検討します。
製造上の留意点
1. 風味マスキング:藻類特有の風味には、柑橘系フレーバーや抹茶・きな粉などの風味設計が有効です。カプセル化すれば風味の問題は回避できます。
2. 吸湿対策:乾燥粉末は吸湿しやすく、固結すると流動性が落ちます。個包装や防湿包材、脱酸素剤の組合せで対応します。
3. 含量管理:色が濃いため配合ムラが外観に直結します。天丸製薬ではGMP準拠設備で混合工程の均一性を管理し、粒度に応じた造粒条件を設定しています。
表示上の留意点
ユーグレナは食経験のある食品素材として扱われますが、健康食品としての表示にあたっては、医薬品的な効能効果を標榜しないことが前提になります。
「59種類の栄養素」といった数の訴求は、根拠となる分析データの範囲を明確にしておく必要があります。天丸製薬では原料規格書の確認から広告表現の事前レビューまで対応しています。
天丸製薬の藻類・植物由来素材の実績(2024年)
| 指標 | 天丸製薬 | 備考 |
|---|---|---|
| 藻類・植物由来素材 配合処方数 | 17件 | ユーグレナ系含む |
| 風味マスキング設計 | 柑橘・抹茶・きな粉系 | 用途に応じて選択 |
| 対応剤形 | 粉末・顆粒・錠剤・カプセル | 色移り対策込み |
| 吸湿対策 | 個包装+防湿包材 | 固結防止 |
| 小ロット対応 | 100個から | 段階的スケール可 |
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よくある質問
Q. ユーグレナはクロレラやスピルリナと何が違いますか?
A. 動物と植物の両方の性質を持つ点と、ユーグレナだけが作る貯蔵多糖パラミロン(β-1,3-グルカン)を含む点が差別化要素です。また植物のような硬い細胞壁を持たないため、含まれる成分の消化性が高いとされます。訴求の根拠にする場合はパラミロン含量が規格管理された原料を選んでください。
Q. ユーグレナの濃い緑色はどう扱えばよいですか?
A. 主体で配合する場合は、濃緑色と藻類の風味を「自然由来の証」として意匠に取り込む設計が製品として成立しやすくなります。少量配合の場合は色移りの管理が課題で、錠剤では表面の斑点として現れやすいため、造粒工程での均一化やコーティングによる被覆を検討します。
Q. 藻類特有の風味はマスキングできますか?
A. 可能です。柑橘系フレーバーや抹茶・きな粉などの風味設計が有効で、青汁系(大麦若葉・ケール)との組合せも相性が良好です。風味を完全に回避したい場合はカプセル化という選択肢もあります。天丸製薬では試作段階で官能評価を行い、標準品との比較で再現性を確認します。
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