📅 最終更新日: 2026年2月13日 | ✍️ 著者: 事業開発・マーケティング部
💡 健康食品OEMの成功事例とは、天丸製薬のOEM・ODM製造サービスを利用したお客様が、商品企画から製造・販売までの過程で達成した具体的な成果を紹介するケーススタディです。
背景と課題:医療の信頼性を健康食品に移転する試み
⚡ この導入事例の要点
- お客様の課題と天丸製薬が提供した解決策を紹介
- 小ロット(100個〜)からスタートし段階的にスケールアップ
- GMP認証工場での製造と第三者機関による品質検査を実施
- 具体的な成果数値(ロット数・リピート率・売上等)を公開
横浜市で内科・生活習慣病専門クリニックを運営する石田慎一郎医師(仮名)は、2019年頃から生活習慣病の予防・改善において「医薬品だけでは補えない部分がある」という問題意識を持っていました。患者に血糖値改善のための食生活指導を行っても、栄養素の摂取不足という根本問題が解決されなければ効果は限定的です。処方薬の補完として、臨床的に根拠のある栄養素補給を支援できる製品が必要だと感じていました。
しかし、市場の健康食品には大きな問題がありました。「医師監修」「専門家推薦」を謳う製品が増加する中、実際の監修内容が形式的なものにとどまるケースが多く見受けられます。患者が「医師に言われた」または「医師が作った」という理由で選ぶ製品が、本当に臨床的に意義のある品質を持っているかどうか——この問いに確信を持って答えられる製品を自ら作ることが、石田医師の挑戦の出発点でした。
立ち上げにあたっての主な課題は、(1)医療倫理と健康増進法の両立(医薬品的な効能効果の表示は禁止)、(2)医師という本業の傍らで事業を立ち上げる時間的制約、(3)クリニック以外の販路での信頼性確保、の3点でした。
解決策:天丸製薬との処方共同開発と医療機関連携モデルの構築
2020年、石田医師は天丸製薬に相談を持ちかけました。「臨床的な根拠に基づく処方設計に対応できるか」という問いに対し、天丸製薬の処方開発チームが「専門医の知見を活かした処方設計の共同開発が可能」と回答したことが、パートナーシップの始まりとなりました。
石田医師と天丸製薬が共同開発したのは、生活習慣病の予防サポートをコンセプトとした栄養補助食品シリーズ「クリニカルサポート」でした。製品設計の基本方針は以下のとおりです。
- エビデンス基準を設けた成分選定:PubMedなど医学文献データベースで一定水準の研究報告がある成分のみを採用
- 有効量の担保:臨床研究で使用されている用量を参考に、機能発揮に必要な量を確保
- 相互作用への配慮:医薬品との相互作用が懸念される成分の過剰配合を避け、通院患者が安心して摂取できる設計
- 成分開示の透明性:全成分・配合量をパッケージに明記し、医師が処方判断しやすい情報提供
製造は天丸製薬のGMP認証工場で実施し、全ロットで第三者機関による成分検査を実施。「医師が処方する製品として恥ずかしくない品質」を徹底しました。GMP認証の重要性についてはGMP認証ガイドで詳しく解説しています。
実施プロセス:医療機関連携ブランドの展開ステップ
フェーズ1:自クリニックでの試験的導入(2021年1〜6月)
まず石田医師自身のクリニックで「クリニカルサポート」シリーズを患者向けに提供。50名の患者を対象に3ヶ月間の使用観察を実施し、血液検査データ(HbA1c・中性脂肪・LDLコレステロール等)の変化を記録。「服薬継続と食生活改善を前提とした栄養補助として、数値改善に一定の寄与が見られた」という観察結果が、エビデンス構築の第一歩となりました。
フェーズ2:医師ネットワークへの展開(2021年7〜12月)
石田医師の医学部同期・学会仲間を通じて、クリニック内販売に興味を持つ医師25名にアプローチ。製品の処方根拠・品質基準・卸条件を詳しく説明した医師向け説明資料を作成し、医療倫理に沿った推薦方法のガイドラインも提供しました。2021年末時点で18クリニックが導入を決定し、月販売数は3,200個(月商約960万円)に達しました。
フェーズ3:患者向けEC展開と「医師監修」の正しい伝え方(2022年1〜6月)
クリニック経由の購入者からの「自宅からも注文したい」という要望に応え、EC展開を開始。WebサイトとECページでは、「医師監修」という言葉の使い方に細心の注意を払いました。「〇〇クリニック石田医師との共同開発製品」「処方設計の根拠となった医学文献の引用」「含有成分の全開示」という形で、実質的な根拠を示す誠実な訴求を採用。「監修という言葉だけでなく、監修の中身を見せる」アプローチが信頼構築に効果的でした。
フェーズ4:薬剤師との連携拡大と調剤薬局チャネル開拓(2022年7月〜)
医師が診察室で推薦し、薬局で受け取れるシームレスな体験を構築するため、処方箋受付薬局との連携を開始。「医師が勧めた製品を薬剤師が補完説明する」という体制が、患者の安心感と継続率向上に貢献しました。2023年3月時点で連携薬局数は62店舗に達しています。
成果・数字:医療機関連携ブランドの2年間の成果
- 月商:2021年1月(クリニック単独)80万円 → 2023年3月 2,800万円
- 導入クリニック数:1施設 → 85施設
- 連携薬局数:0 → 62店舗
- EC定期会員数:0 → 2,100名
- EC定期継続率(3ヶ月後):84%(クリニック経由顧客は信頼度が高く高継続率)
- 患者アンケートでの満足度:「また使いたい」93%
- 医師推薦意向(NPS):+68(医師への調査)
- 広告費比率:売上対比 3.2%(医療機関チャネルが主な獲得源のため低水準)
広告費が極めて低いにもかかわらず月商2,800万円を達成できているのは、医師・薬剤師という専門家チャネルからの推薦が獲得コストのほとんどを代替しているためです。「患者は医師に言われたから続ける」という信頼の連鎖が、低CACと高継続率の両立を実現しています。
成功のポイント:医療機関連携ブランドが持つ本質的な差別化
1. 「監修」の中身を見せる誠実な訴求
「医師監修」という言葉が溢れる市場において、監修の実質(どのような観点で何を設計したか)を開示することが、本物の差別化につながります。処方根拠の文献引用、設計思想の公開、医師自身が顔を出して語ることが、消費者の判断力を高めながら信頼を構築します。
2. 医師チャネルは「低コスト×高信頼」の獲得源
医師が診察の場で推薦する製品は、患者にとって「処方」に近い意味を持ちます。この信頼度の高い推薦は、広告費ゼロで行われる最も効果的なマーケティングです。医師ネットワークの構築には時間がかかりますが、一度定着すれば持続的な低コスト獲得チャネルとなります。
3. 品質への妥協なき投資が基盤
医師が自分の患者に推薦できる製品にするためには、品質への妥協は許されません。天丸製薬との共同開発で実現した「エビデンスに基づく有効量配合」と「GMP製造による品質保証」が、医師の信頼獲得の前提条件でした。OEM製造による高品質製品の実現についてはOEM製造入門ガイドをご参照ください。
4. 医師・薬剤師・患者の三者をつなぐエコシステム
医師が推薦し、薬剤師が補完説明し、患者が継続するという連携が、製品の価値を最大化しています。単なる「医師監修」の商品ではなく、医療の場に統合された栄養補助食品というエコシステムの構築が、他にない差別化となっています。健康食品OEMによるブランド構築については健康食品OEM基礎解説も参考になります。健康食品EC成功事例についてはEC成功事例もご覧ください。
石田医師の事例は、医療と健康食品の適切な距離感と連携のモデルを示しています。「健康食品は医薬品ではない」という法的・倫理的境界線を守りながら、医療の文脈の中で価値を発揮できる製品を作ることは、業界全体の信頼向上にも貢献するものです。
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導入事例の詳細データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初回発注ロット | 初回500個(スモールスタート) |
| 当時の課題 | 前の製造会社から品質のばらつきが多く、リピート率が上がらずに悩んでいた |
| 天丸製薬の解決策 | 原料の産地・ロット管理の徹底と、出荷前の全数検査体制で品質均一化を実現 |
| 製造期間 | 約6週間(初回) |
| 導入後の成果 | 初年度でリピート率68%達成、翌年度に発注ロット2500個へ拡大 |
| お客様の声 | 「小ロットから始められたことで、市場テストができリスクを最小化できました」 |
この事例から学べること
健康食品OEMにおいて、初回は小ロットでのテスト販売が成功のカギです。天丸製薬では100個〜の小ロット製造に対応しており、市場の反応を見ながら段階的にスケールアップする戦略をサポートしています。
機能性表示食品やサプリメントの新規参入では、製品コンセプトの検証と市場テストが特に重要です。無駄な在庫リスクを抑えながら、確実なビジネス成長を実現するパートナーとして、天丸製薬をご活用ください。