最終更新: 2026年11月1日 | 監修: 天丸製薬 法規制コンプライアンス室
中身の規格は詰めたのに、容器の書類で止まる。これは珍しくありません。合成樹脂の器具・容器包装にはポジティブリスト制度があり、使える物質が定められています。本記事では、OEMの現場で何をどこから取るのかを整理します。
💡 ポジティブリスト制度とは、合成樹脂製の器具・容器包装に使用できる物質をあらかじめ定め、リストにないものは使えないとする仕組みです。2018年の食品衛生法改正で導入され、経過措置期間を経て運用されています。事業者には適合性の確認と、取引先への情報伝達が求められます。健康食品では、ボトル・キャップ・アルミ分包・PTPシートなどが対象になります。
⚡ この記事のポイント
- リストにない物質は使えない。「有害と証明されていない」では通らない
- 確認するのは包材メーカー。発注者は適合を示す書類を受け取って保管する
- 層によって規制が違う。食品に触れる層だけの話ではない
- 包材を変えたら書類も取り直す。色だけの変更でも樹脂の配合が変わることがある
- 🔴 当社は包材の試験設備を持ちません。書類は包材メーカーから取得し、内容を確認します
なぜ「リスト方式」なのか
従来は、危険性が分かったものを規制する考え方でした。ポジティブリストはその逆で、使ってよいものを先に決める方式です。結果として、リストに載っていない物質は使えません。
この違いは実務に直接出ます。新しい樹脂や添加剤を使った容器を提案されたとき、確認すべきは「安全性のデータがあるか」ではなく「リストにあるか」です。
どこまでが対象か
| 健康食品で使う包材 | 対象 | 確認の要点 |
|---|---|---|
| PETボトル・HDPEボトル | 🔴 対象 | 本体・キャップ・ライナーをそれぞれ確認 |
| アルミ分包・スティック | 🔴 内面の樹脂層が対象 | シーラント層の樹脂と添加剤 |
| PTP・ブリスター | 🔴 対象 | 成形フィルムとシール材 |
| 紙箱・ラベル | 食品に直接触れなければ対象外 | 直接触れる設計なら要確認 |
| ガラス瓶・金属缶 | 合成樹脂以外は別の規格 | 内面コート・パッキンは樹脂 |
見落としやすいのはキャップのライナーとシーラント層です。ボトル本体の書類だけを受け取って揃ったと考えると、後で足りません。
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誰が何を出すのか
適合性を確認するのは包材を製造する側です。発注者と受託製造者は、それを示す書類を受け取り、保管する立場になります。
- 包材メーカー──使用物質がリストに適合していることを確認し、その旨を書面で示す
- 当社(受託製造者)──書類を受け取り、処方と包装仕様に対して内容が合っているかを確認し、製造記録とともに保管する
- 発注者(販売者)──最終製品の表示と販売の主体として、書類が揃っていることを確認できる状態にしておく
当社は包材そのものの分析設備を持っていません。書類の真偽を自社試験で裏づけることはできませんので、包材メーカーの発行する書面と、必要に応じて第三者試験機関の成績書を根拠とします。この前提は見積りの段階でお伝えします。
変更したときにやり直すもの
「同じボトルで色だけ変える」という変更で書類が無効になることがあります。着色剤が変われば配合が変わり、別の品番になるためです。
- 樹脂の種類・グレードの変更 → 取り直し
- 着色剤・添加剤の変更 → 取り直し
- 成形工場の変更 → 品番が同じでも確認
- キャップ・ライナーのみの変更 → その部材について取り直し
包材の切替は、賞味期限の根拠にも関わります。防湿性が変われば安定性の前提が変わるためです。
よくある質問
Q. 書類は発注者が用意するのですか?
A. 包材を手配する側が取得します。当社で包材を手配する場合は当社が取得し、内容を確認してお渡しします。発注者が包材を支給される場合は、支給元からの書類をいただきます。
Q. 海外から容器を輸入する場合はどうなりますか?
A. 輸入品も同じ制度の対象です。海外の規格に適合していることと、日本の制度に適合していることは別の話です。輸入者が確認する責任を負うため、書類の取得可否を発注前にご確認ください。
Q. 当社で試験して確認できますか?
A. 当社は分析機器を自社で保有しておらず、包材の材質試験も外部試験機関に委託します。通常は包材メーカーの書面で確認し、追加の試験が必要な場合は委託先と費用をご相談します。
Q. 既製品の容器なら確認は不要ですか?
A. 既製品でも書類は必要です。流通している容器であることは、適合を示す書類がこちらの手元にあることと同じではありません。
包材の書類もまとめてご相談ください
中身の処方設計と並行して、容器の書類が揃うかを先に確認します。揃わない容器は、設計の段階で分かるほうが早いためです。
- ✅ 包材メーカーからの書類取得と内容確認を代行
- ✅ 錠剤は自社工場で製造、包装仕様と合わせて確認
- ✅ 材質試験が必要な場合は外部試験機関に委託(費用を事前にご提示)
- ✅ 初回小ロット100個から、強引な営業なし
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