最終更新: 2026年6月16日 | 監修: 天丸製薬 法規制コンプライアンス室
健康食品の表示ミスのなかで、最も重大な結果を招くのが「アレルゲン表示の漏れ」です。原材料表示の順序を間違えれば指導で済むこともありますが、アレルゲンの表示漏れは健康被害に直結し、自主回収・行政処分・ブランド毀損につながります。OEMでは複数原料を組み合わせるため、原料に含まれる「隠れアレルゲン」の見落としが起こりやすいのが実態です。本記事では法規制コンプライアンス室の視点から、アレルゲン表示・原材料表示の実務と、表示ミスを防ぐチェックポイントを解説します。
💡 健康食品のアレルゲン表示・原材料表示とは、食品表示法に基づき、製品に含まれる原材料と食物アレルゲンを正確に表示する義務です。特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)は表示が義務付けられ、20品目は推奨。OEMでは複合原料に含まれる隠れアレルゲンの把握が表示ミス防止の鍵となります。
⚡ この記事のポイント
- 特定原材料は義務8品目(2025年にくるみ追加)+推奨20品目 — 義務品目の漏れは回収リスク直結
- 原材料表示は「重量順」が原則、添加物は区分して表示
- OEM最大の落とし穴は「複合原料の隠れアレルゲン」— 原料規格書(スペック)の精査が必須
- コンタミネーション(意図しない混入)の注意喚起表示も実務上重要
- 天丸製薬は全原料の規格書精査+表示ダブルチェック体制で表示関連の回収0件
アレルゲン表示の基本ルール
食物アレルギーは生命に関わるため、食品表示法はアレルゲン表示を厳格に定めています。表示対象は2つの区分に分かれます。
| 区分 | 品目数 | 表示 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 特定原材料 | 8品目 | 義務 | えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生 |
| 特定原材料に準ずるもの | 20品目 | 推奨 | アーモンド・大豆・ごま・カシューナッツ等 |
2023年に「くるみ」が推奨から義務に格上げされ、経過措置を経て2025年4月から完全義務化されました。法改正でアレルゲンの区分が変わるため、最新の品目リストを常に確認することが実務の前提になります。
原材料表示の順序と区分
原材料表示には明確なルールがあります。
1. 重量順の原則:原材料は使用した重量の多い順に表示します。配合量の多い順序を間違えると、それ自体が表示違反になります。
2. 原材料と添加物の区分:原材料名欄では、食品原料と食品添加物を明確に区分して表示します。スラッシュ(/)で区切る、改行する、別欄にするなどの方法が認められています。
3. 複合原料の表示:2種類以上の原料からなる「複合原料」(例:調味エキス、加工油脂)は、その中身を分解して表示するか、複合原料名の後に括弧で構成原料を記載します。この複合原料の中身にアレルゲンが潜むことが多いのが実務の難所です。
OEM最大の落とし穴|隠れアレルゲン
OEMでは複数の原料メーカーから原料を調達して組み合わせます。このとき見落とされやすいのが「複合原料に含まれる隠れアレルゲン」です。
たとえば、ある機能性原料の賦形剤に乳糖(乳由来)が使われている、香料のベースに大豆が含まれる、カプセルの原料にゼラチン(由来動物の確認が必要)が使われる──といったケースです。最終製品の主原料だけを見ていると、これらを見落とします。
これを防ぐ唯一の方法は、全原料の規格書(スペックシート)を取り寄せ、アレルゲン情報を一つずつ確認することです。原料メーカーが発行する規格書には、含有アレルゲンとコンタミネーション(製造ライン由来の意図しない混入)の情報が記載されています。天丸製薬では全原料の規格書精査を製造前の必須工程としています。
コンタミネーション表示と注意喚起
意図的に配合していなくても、同じ製造ラインで特定原材料を扱っている場合、微量混入の可能性があります。この場合の「注意喚起表示」(例:本品製造工場では落花生を含む製品を生産しています)は法的義務ではありませんが、消費者保護とリスク管理の観点から実務上重要です。
注意喚起表示には正しい書き方があります。「入っているかもしれません」といった曖昧な可能性表示は食品表示法で禁止されており、製造ラインの事実を客観的に記載する形式が求められます。
表示ミスを防ぐ5つのチェックポイント
| # | チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 義務8品目の最新リスト確認 | くるみ追加など法改正反映 |
| 2 | 全原料の規格書精査 | 複合原料の隠れアレルゲン |
| 3 | 原材料の重量順チェック | 配合量順序の正確性 |
| 4 | 原料と添加物の区分 | スラッシュ・改行で明確化 |
| 5 | コンタミ注意喚起の要否 | 製造ラインの事実を客観表示 |
天丸製薬の表示管理体制(2024年)
| 指標 | 天丸製薬 | 備考 |
|---|---|---|
| 表示関連の自主回収 | 0件 | 全製品・全ロット |
| 原料規格書の精査 | 全原料で必須実施 | 製造前工程に組込 |
| 表示チェック体制 | ダブルチェック(製造+コンプラ) | 法規制コンプライアンス室 |
| アレルゲン情報DB | 原料ごとに管理 | 法改正時に一斉更新 |
| クレーム率 | 0.08% | 業界平均0.5% |
| 発注者向け表示レビュー | 無償提供 | ラベル校了前に確認 |
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